こんにちは。竹内です。
<ここで解説していること>
10-15万円は、私たち業者の商品原価よりも安いです。にもかかわらず、なぜ10-15万円の商品が販売されているのか?を解説していきます。10-15万円でお探しの方はもちろん、ご興味のある方は以下へ読み進めてください。
全てのネットショップには「お問い合わせ」機能が備わっていますので、日々消費者の皆様からご質問やご相談をいただきます。よって、今、日本の消費者の方々がどのような品をどのくらいのご予算でお探しか、明確に把握できております。
品不足で価格が暴騰した真珠の現状をご存知の消費者はごく少数で、ほとんどの方は人から聞いた情報や、過去の購入経験等をもとに品と予算を決めて探し始めます。探し始めて「あれ?思っていたのと違う」→「お問い合わせ」という流れになります。
弊店で最も多く聞かれるご要望は「オーロラ花珠の8-8.5mm、ネックレス耳飾りセットで、10-15万円」です。
これにより、店舗側は「10‐15万円でネックレス耳飾りセットを出品すれば、アクセスする人が一定数いる」ことがわかるわけです。10‐15万円のセットを出品するだけで、広告費をかけることなく、お客様側から検索して見に来てもらえるのです。
まずは、それ目的でアクセスしてもらって、できれば店舗内を見て回ってもらって、最終的には20万円の品を買っていただく。そういう設計になっているわけです。
いや、断言は良くないですね。失礼しました。
弊店ではそういった商売はしておりませんが、もし私が販売員で店主からそういうやり方を命じられたらどうするか?という想定で、できるだけ具体的にお話しさせていただきます。
10‐15万円の商品の在庫があるかないかは実は関係なく、とにかく出品します。集客のための商品ページですから、商品画像にはきれいなイメージ画像を使用します。実際は20万円だとしても10‐15万円ということにして、一定数用意して販売します。そして、注文が入れば「実物の写真を送るので確認してください。問題なさそうでしたら商品を発送しますのでお返事ください。」として、「参考までに」と20万円の商品との比較画像を送ったりします。
誤解のございませんようお伝えしますと、弊店ではお問い合わせやご相談をいただいたときに、比較対象として1ランク上のものをご案内することはありますが、注文をいただいた後でそのようなことはいたしません。
結果、20万円の品に決めていただければありがたいことですし、10‐15万の品で良いですとなればその品を送るだけです。
さて、ここで問題発生ですね。
実際に10‐15万円で販売する品を用意できるのは、限られた店舗だけです。普通に仕入れた商品を販売するだけだと勘定が合いません。上で「実際は20万円だとしても10‐15万円ということにして、一定数用意」と書きましたが、そのまま文字通りにやる店舗はありません。
では、どうするか?
まず、大前提として、自社でバラ珠から製品化できる店舗、複数仕入れた商品を一回バラいて仕立て直しができる店舗に限られます。前者の代表例は花珠NGの珠を使用して販売する方法です。後者について詳しく説明すると、例えば今回は20万円の商品を販売するために50点仕入をしたとして、これらを自社で仕立て直し、大キズの粒で組み直したものを10‐15万円とし、キズが少なく仕立てられたものを25‐30万円とすることで、全部売切れれば売上金は20万円x50本と同じ、手間をかける分できればそれ以上の額になるようにします。そういった価値の調整が自社でできるのであれば、実際には存在しない価格帯の商品を販売することができます。
花珠NGについては過去にも触れたことがありますが、重要なポイントは「実際に申請して、結果NGだった真珠」であることです。申請にはコストも時間もかかります。それでも申請したということは、店舗の見立ては「OKに違いない」だったはずです。しかし、「花珠落ち」というワードがひろまったことで、「申請するまでもなくNGだろう真珠」をこれにあてはめる業者がたくさんあるのは残念なことです。
平たく言うと「訳あり品」になるわけですが、訳があるから安く売るというよりは、安く売るために訳をつくっていると考えていただくのが良いかもしれません。価値を下げたものを安く販売しているので、悪いこととは言えないと思いますが、消費者はそういうつもりではなくこういった品を購入してしまう可能性があるので気をつけたいですね。
私からお伝えしたいのは、店舗にはそれぞれの考え方、やり方がありますので、10‐15万円の商品を販売しているお店がすごいとか、逆にずるいとか、このお店は安いとか、そういった判断ができるものではないということです。20万円の品50点をしっかり確認して、一番良いと思われる1点だけを仕入れて20万円で販売する店舗もあるわけですからね。
もう一歩突っ込んで解説しますと、10‐15万円で購入した商品にお客様が満足なさったなら、それはお客様ご自身にとっても、販売した店舗にとってもハッピーなことだと思います。ただ、それはメーカーの職人さんが20万円の品として作ったものを、販売店が職人さんの意図に反していじって作り出されたものであって、連相のばらつきがあったり、大キズが多く含まれていたりするので、消費者が「そういった品だけど自分は満足だ」と思っていただけるならOK。「安い店舗を見つけてお値打ちな買い物ができた」と思ったなら、それはどうなんでしょうね、残念ながらちょっと違うかなと思います。
こういった残念なことにならないようにするには、購入前に店舗とコンタクトを取ることがとても重要になります。次回その重要性について解説しますので、興味がある方は私どものXをフォローしてお待ちください。
※こちらにアップ済みです。
花珠鑑定書つきで10‐15万円、またはそれ以下の商品が販売されている場合も同じやり方になりますが、価値を下げて作られた製品、しかもこの価格帯で花珠鑑定書がつくというのは「その鑑定書に意味はない、ただの紙が付属する」と思っていただいて良いと思います。こういった商品は、検索をしない人たちを対象として企画されています。この記事をここまで読んでくださった皆様は対象外となりますので、見に行くだけ時間の無駄といえますね。
<2024年2月17日追記>
この度、自社で仕立て直して価値の調整を行う機会がありましたので、そのうちの1点を自社販売することといたしました。「価値の調整ってなに?調整されたネックレスの見た目はどうなるの?」といった疑問を感じた方には、ぜひ弊店の商品ページでご確認ください。
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