花珠真珠を選ぶということ

ここで説明していること

・品質にかかわらず、花珠鑑定書が付属すれば花珠真珠を名乗ることができます。
・品物の格を表すのは価格です。鑑定書は付属品で、格を表すものではありません。
・花珠真珠は花珠として生まれてくるのではなく、業者が仕立てるものです。
・花珠鑑定書がついていても、安い品には価格なりの理由が必ずあります。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。




1.はじめに

多くの方にとって真珠を買う機会は、経験を積むほどもなく、専門色が強い商材でもありますので「よくわからないなぁ」が先にたち、身構えてしまうことでしょう。
ここでは多くの方が経験されている身近な例を交えながら、解説していこうと思います。


2.花珠真珠を選ぶということ

最近の主流である花珠鑑定書つきの真珠製品を選ぶということは、パソコンでいうとウインドウズを選ぶということです。特にこだわりのない方がパソコンを買いに行って、並んでいる中から「これください」と選んでくれば、それはほぼウインドウズだと思います。花珠真珠を選ぶということは、今ではそれほど普通のことです。実際によく売れていて、知名度も高く、無難で、普通です。どの価格帯の花珠真珠をお求めになるかというのは重要な問題ですが、「花珠鑑定書つき」というだけでは、最高、最良、高級の証明にはなりません。


3.品質はあくまでも価格なり

花珠鑑定書つきとはいえ、真珠の値段がまちまちなのは、ウインドウズPC の値段がまちまちなのと同じです。「ウインドウズです」という以外の部分で性能の差、価格の差が生じているように、真珠は「花珠鑑定書つきです」という以外の部分で品質の差、価格の差が生じています。「最低限どれだけのスペックがあれば日常的な使用で我慢できるか?」を花珠真珠に置き直すと、「真珠専門の研究所が発行した鑑定書がついていること」になります。ただし、これはあくまでも最低限です。真珠の価格は「花珠鑑定書つきか否か」に左右されるものではなく、あくまでも品質に応じた価格が設定されていて、花珠鑑定書がつくということは商品の特徴の一つだと理解していただくと良いでしょう。 品質は価格なり。花珠鑑定書つき=最高ではありません。


4.誰しもが高額な真珠セットを買うべきとは思いませんが…

安価な花珠真珠であっても、真珠専門の研究所が発行した花珠鑑定書がついている限りは、第三者による検品を受けているわけですし、価値観は人それぞれですから、ある程度の安心が得られれば価格は安い方が良いという意見も当然あると思います。当店では常々「品質は価格なり」と申し上げており、安いものはダメだとは考えておりません。誤解を招くような販売方法には反対ですし、消費者の皆様には真珠購入の際に少しでも真珠への理解を深めていただいて、お気に入りの真珠を手にしていただきたいと考えております。


5.鑑定書つきで生まれてくる真珠はありません

花珠真珠という品種があるわけではなく、鑑定書を背負って生まれてくる真珠もありません。養殖業者さんが浜揚げした真珠を加工業者さんが半製品にし、店頭に並ぶまでのどこかの段階で花珠鑑定書つきに仕立てられ、それ以降は花珠真珠として流通していきます。
「花珠真珠は業者が意図的に仕立てるもの」ということは、消費者の皆様がイメージする中にはなかったかもしれませんね。


6.安価な花珠真珠を選ぶ際に理解しておきたいこと

第三者による検査を受け、パスしていることで得られる安心感がある一方で、安価な花珠真珠製品が安価に提供される意味についても理解しておきたいことがあります。花珠検査には「美しいものに合格を与える」イメージがあると思いますが、「不合格にする理由がないものは合格」という側面があり、そこを狙ってすり合わせが行われただけの花珠真珠が多数流通していることもお含みおきください。また、花珠検査は車検のように定期的に行われるものではなく、検査を受けたその時点での結果で評価されるものです。検査を通すことを目標に、きつい加工が施された製品は、いくら花珠鑑定書がついていても、業者の評価は低く、安価で取引されます。その理由は、組み上がったばかりの状態(新品時の美しさ)が長持ちしないことを経験から知っているためです。


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