真珠のまき厚測定値は大きいほどキレイ?

ここで説明していること

・鑑定書の巻き厚数値と見ための美しさは比例関係ではありません。
・ネックレスの数値は中心部数粒の平均値。全ての粒が統一されているわけではありません。
・薄巻きとは 0.25mm 以下のものを指します。
・何ミリ巻いているかより巻きの質感の方が重要です。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。



1.はじめに

鑑定書に記載された「まき厚測定値」と、業者が言う「まきが良い」とは別の話ですと他ページでも書かせていただいております。こちらでは、まき厚測定値が大きいほど真珠はキレイなのか、ご確認いただきたいと思います。


2.比較画像をご覧ください。

どちらも 7.5mm-8.0mm のオーロラ花珠ネックレスで、鑑定書記載の「まき厚測定値」は、
左 : 0.80mm
右 : 0.40mm です。

美しいと感じるものは、人それぞれだと思いますが、当店では、右の方がより美しいと位置づけておりまして、価格も右の方が高額です。この比較画像で、鑑定書記載のまき厚測定値が大きいほどキレイということではないとご納得いただけた方もいらっしゃることと思います。


3.鑑定書記載のまき厚測定値とは?

「鑑定書記載のまき厚測定値」は、真珠をレントゲン撮影して核の外周と真珠の外周との距離を計測したものです。正確を期すため、核と真珠層の境目がはっきり写った粒、場所で計測します。これは、例えるなら壁の高さを表しているだけで、その壁がどんな素材でどのように積み上げられ、どれだけの強度があるかといった「質」に関して一切触れておりません。
真珠の美しさの大きな要因である「てり(干渉色)」は、上質な真珠層によってもたらされます。光を受けて真珠層内で豊かな干渉色を生むには、より多くの光を、より深層まで取り入れることができて、ロスを少なく跳ね返してくることが重要です。そのためには、真珠層の透明度、結晶の並びのきめ細かさや密度といった真珠層の上質さが問われ、どれだけ厚く巻いていても濁った真珠層では表情豊かな干渉色(テリ)を引き出すのは難しいということです。


4.まき厚に関して注意すべき点

厚さよりも質が重要だと説明してまいりましたが、最も重要なのは「薄まきでない」ことです。その理由は未だ解明されていませんが、真珠業界の経験値から、薄まき珠は変色が早い等の言われがあり、粗悪品扱いになりますので、まずは薄まきではないことの確認として鑑定書記載のまき厚測定値をご参照いただければ良いのではないでしょうか。
薄まき珠のまき厚測定値は 0.25mm以下 と言われておりますが、真珠科学研究所さんの花珠合格基準は 0.4mm以上 と設定されています。これは、「真夏の午後2時頃のビーチ」に相当する強い光を真珠に当てた時にでも、核の縞模様が浮き出すことがないという検証結果から設定されたものだそうです。0.3mm だと商品として不完全ということではありませんが、思わぬ場面で縞模様が浮いて見えては興ざめしてしまうのでは?という配慮からだそうです。


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