真珠のテリとは?

ここで説明していること

・真珠にはテリとは光沢のことではありません。
・真珠科学研究所の検査では光沢より干渉色が重視されます。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。




1.はじめに

真珠のてりについて説明をする前に、百聞は一見に如かずということで、まずは写真をご覧ください。

グリーン系のてりが良い真珠の一例です。てりが良い真珠は「白玉の中に虹がかかる」と表現されることがありますが、この写真をご覧いただければその意味がおわかりいただけるのではないでしょうか。もはや「白玉ってなに?」と思うほど虹があふれ出ていますね。

それでは真珠のてりとは何なのか?説明をはじめさせていただきます。


2.真珠のテリとは?

テリとは色を伴った輝きのことで、真珠自体が発するものではなく、受けた光が真珠層内で屈折し、干渉を起こすことで現われる「現象」です。
見る場所や光源の違い、自分と真珠の位置関係などによって真珠が表情を変えるのはこのためです。
テリがあるから真珠は美しく、科学的知識を持たなかった私たちの祖先が神秘的なものとして様々なストーリーを語り継いできた要因なのかな?と思います。


3.花珠真珠のテリとは?

私たち業者は、「真珠のテリは表面光沢と干渉色が織り成すハーモニー」として評価をしてきました。お客様にもテリの良し悪しをそういった感覚で説明してまいりました。 しかし、真珠科学研究所の定義は少し違っておりまして、表面光沢(光の反射)と、てり(光の干渉)をそれぞれに分けて評価しています。

例を挙げさせていただきますと…
干渉色がほとんど見られない、だけど表面がやたらピカピカしているタイプの真珠がございます。これをテリが良いと評する一般の方は多くいらっしゃると思いますが、真珠科学研究所の評価ではそうではありません。
また、表面の光沢がやわらかでも、グリーンやピンクの表情がしっかりと現れる真珠は、テリが強いと評価されます。


4.真珠科学研究所のテリの評価方法について

真珠の評価はある種の職人技で、それなりの経験を積まないと正しくできるものではありません。真珠科学研究所では、そういった職人の技を科学的なアプローチで一般消費者の誰もが納得しやすい、公平性を持ったものに変換する方法を研究しておられます。
テリの良し悪しを、真珠の経験値にさほど左右されることなく、公平性を持って評価できる方法として考え出されたのが「テリ測定装置」を使用するものです。 テリ測定装置の上で見られるオーロラ現象によりテリの良し悪しを評価していて、オーロラがより多色で鮮やかに現れるものほどテリが良いと定義されているのです。
2014年にはテリの数値化に成功し、オーロラ天女を正規の特別呼称として「オーロラ花珠のなかでも特にテリが強いもの」と定義しました。


5.テリの仕組みとオーロラ現象ついて

真珠のテリカラーはピンクとグリーンで構成され、その濃淡こそあれ、黄色や青が見られることはありません。
これは真珠層の結晶の厚さと、可視光線の波長との関係によるものと考えられ、とてもマニアックな話になりますので、仕組みのアウトラインだけ説明させていただきます。
光、屈折、色と聞いて思い浮かべるものというと「プリズム」だと思いますが、あのイメージで真珠層を通して現われる色は、ピンクとグリーンで、これら以外の色は反射されずに吸収されていくために見ることができないというわけです。
ただし、テリ測定装置を使用すると吸収された色も確認することができます。
テリ測定装置上では、テリの良い真珠ほど見られる色が多色で、且つ鮮やかな色調であることが確認されています。
真珠科学研究所が発行する真珠鑑別鑑定書には、テリ測定装置に乗せた真珠の画像が掲載されています。
当店では鑑定書上のテリ測定装置の画像を公開していますので、お品選びの参考にしていただければと思います。

また、商品名に記載しております「ピュアピンク」「ブルーイッシュピンク」「グリーン」といった色名称は、当店が独自に呼んでいる目視によるテリカラーの種類であり、詳しくはこちらで説明しておりますのでご参照くださいませ。


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