ピラミッドから読み取れること

ここで説明していること

・花珠真珠製品には本当に上位数パーセントの素材が使われているのか?
・最も売れている=最も量が必要になる
・なぜリーズナブルな商品ほど競争が激しいのか?

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。



1.はじめに

真珠製品の購入をご検討中の多くの方が、こういった図をご覧になったことがあると思います。

「ピンク色の部分が花珠です」と説明され、印象に残りやすいですが、実際には何の根拠もありません。

ここでは、このピラミッド(三角形?)の解釈の仕方について、当店なりの考えを解説してこうと思います。

大前提として、ピラミッドは国産アコヤ真珠の年間浜揚げ量に対しての、品質と量の関係を示すものとし、三角形の上に行くほど「一粒あたりの価格」が高くなるものとします。 また、サイズで相場が異なるのも真珠の特徴ですので、サイズごとにピラミッドが独立して存在するものとお考えください。


2.ピラミッドから読み取れるもの

高品質な真珠は採れる量が少なく、高品質でないものが圧倒的多数であるならば、これだけ花珠真珠が流通して、しかも数万円から手に入る現状を考えると、安価な花珠真珠製品をピラミッドの頂上付近に置くのは無理があるのかなと思います。量が少ないものが高額になり、量がたくさんあるものは安価になるのが、本来のあり方だと思います。 そこで、ピラミッドの花珠部分をもっと下まで伸ばした様子(例えばピラミッドの3合目あたりから上が花珠とされている様子)を想像していただくと、急にスッキリすると思いますが、いかがでしょうか。
3合目〜4合目あたりでも花珠鑑定書が取れて(花珠真珠を名乗ることができて)、しかも量もあるわけですから、通販で数量制限なしに販売できる現状と合いますね。どれだけの言葉で飾り立てても、たくさんの量を販売するためには、量がたくさんあるクラスを販売するしかなく、安く販売するためには、安くできるクラスを販売するしかなく、ピラミッドはそれを示しています。


3.【重要】最も売れている=量が必要になる 重要なポイントです

最も売れている価格帯の品が安心できるという考え方は、工業製品では言えることかもしれませんが、真珠の場合は理解が必要です。
工業製品の場合は、ヒット商品が生まれれば工場をフル稼働させて、その商品の供給を増やすこともできますが、真珠はそうではありません。出来上がったものでやりくりしなければならないので、あとから流通量の調整をすることはできません。価格が上がるほど(高品質であるほど)量が減るわけですから、高額品を数多く販売する(売れ筋に仕立てる)こと自体が不可能で、自ずと流通の中心はピラミッドの下の方(安価で価格なりの品質)に集まりやすくなります。


4.【重要】リーズナブルな花珠真珠ほど競争が激しい理由

量があるからこそ売れ筋に仕立てることができるとお話ししましたが、おそらくは来年も同等品質のものが同等量できあがってくるのが「量があるクラス」の特徴で、今年の製品は今年のうちに売り切ってしまいたいわけです。自ずと価格競争が起こりやすく、目立つ広告を出している店舗ほど「安さ」を売りにしている現状にご納得いただけるのではないでしょうか。
真珠製品として安価であっても消費者にとって多額の出費であることは確かです。ところが、私たち売り手側の立場では、手間をかけずに数が売れてこその価格帯で、一つ一つに向き合って丁寧な仕上げができるものではありません。その温度差を埋めるために様々なセールストークが飛び交い、花珠鑑定書がその一つとして利用されていると言ってもいいかもしれません。


ご参考)ネックレス単品に対して、イヤリング単品が割高に感じる理由

「ネックレスを買ったお店にイヤリングを注文したら、とても高額な見積もりが出てきた」という経験をなさった方は意外に多いようですが、これもピラミッドで説明できることです。
養殖業者さんから、浜揚げ珠が加工業者さんの手に渡り、最初に行われるのは用途選別です。形やキズの程度に応じて、ジュエリー用の素材に仕立てるもの、ネックレス用の素材に仕立てるものに分けることを言います。特殊なケースを除いて、ネックレス用に比べてジュエリー用の方が高品質、高価格で、ピラミッドの上の方に集まりやすくなります。 お求めになられたネックレスが仮にピラミッドの4合目あたりのものだとして、それに色テリをマッチングさせたイヤリング用のペアが7合目あたりのものだとすると、イヤリングを割高に感じてしまうのは充分にあり得ることです。


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