真珠の調色、無調色とは?

ここで説明していること

・アコヤ真珠製品では、調色をしたものが標準仕様です。
・調色加工は染色ではありません。
・無調色は無加工(生珠)ではありません。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。



1.はじめに

これから真珠をお求めになろうという方に是非知っていただきたいのが真珠の「調色」についてです。「ちょうしょく」と読みます。
「真珠にお化粧をする」といえば少しは身近に感じていただけますでしょうか、具体的には下処理をした上で人工的に色をつける加工手段のことですが、「染色」と言わないのは、染めることが目的ではないからです。

<参考>
実際に「染色加工」されたアコヤ真珠の製品も流通しておりますが、主に黒系であったり、金色であったりして、花珠の基準のひとつである「ホワイト系」からは外れるため、少なくとも「染色加工された花珠はない」とお考えいただいてよろしいかと思います。


2.真珠の調色とは?

私たち人間の容姿がさまざまなように、真珠もサイズ、形、色など… 個性さまざまで生まれてきます。これらを似たもの同士のグループに分けることを「選別」といい、選別されたグループ内で製品に仕立てられていきます。ネックレスは似たもの同士を 40cm ちょっと並べて、糸で通したものということができます。
さて、どの業界でも同じだと思いますが、ものづくりには「効率」という避けて通ることのできない問題がございます。真珠の世界では大きな効率アップの手段として「調色」を行います。微妙にちょっとずつ違う真珠たちの個性をある程度抑えてあげる(色を揃えてあげる)ことでグループ分けがしやすくなり、1グループ内に属する真珠が多ければ多いほど生産効率が上がるというわけです。
その人工的に色を調整して生産効率を上げる技術も、個々の違いや元の色がわからなくなるほど強制的に変えてしまうなら染色というべきでしょうが、そこまでの強いものではなく、控えめメイク程度なので調色というわけです。
ダイヤモンドなど石の世界でも同じような加工(技法は全く異なります)が行われ、明らかな変色加工とは分ける目的で「エンハンスメント」と言われます。
真珠の場合、ご存知でない方もたくさんいらっしゃると思いますが、調色は昔から普通に行われていることですので、そういうものだとお考えいただければよろしいかと思います。


3.無調色とは?

一方、「無調色真珠」とは、文字通り調色を行っていない真珠のことです。貝から取り出したそのままという意味ではありません。前処理といわれる下地処理を行った後、通常は調色加工へと進めますが、前処理だけで留めたものを無調色といいます。
「真珠本来の色へのこだわり」という切り口で語られることが多く、また「無調色」という言葉の響きが「自然で良いもの」といったイメージに結びつきやすく、流通量も少ないことから、無調色=上等なものだと誤解されがちなのですが、通常加工品(調色)か無調色加工品かというのは、仕上げ方法を指しているに過ぎません。

例えば、うどんには様々なレシピがございますね。
だし汁、ぶっかけ、焼き… 同じうどんの麺を使用しても、調理方法によって違った味わいを楽しめます。

調色か、無調色かは、真珠の加工の仕上げ方法を示すものであって、「どちらが好きか?」といった個人の嗜好の違いこそあれ、「どっちが良いものか?」といった質を問うものではないということをご理解いただいたうえで、ご自分はどちらが好きか?でご判断いただくのがよろしいかと思います。


4.無調色を選ぶときに知っておきたいこと

アコヤ真珠は生来 黄の色素 を多く持った品種ですので、安価な素材(特に透明度が低いもの)を無調色で仕上げても、黄色っぽかったり、茶色っぽかったり、そしてマットな印象になりがちです。「無調色=より自然に近い」と考えるのは間違いではないかもしれませんが、「自然に近い=美しい」ということではないので、覚えておきたいところですね。