真珠の加工と商品の加工はべつものです
ここで説明していること・貝から取り出しただけで商品になる真珠はほぼありません。・真珠の加工には二通りの意味があります。 ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。 |
1.はじめに
真珠には加工がつきものです。
一般に、浜揚げされた真珠は加工業者さんの手に渡り、加工を経て半製品となり、業者間で取引されます。
また、消費者の皆様が真珠製品をお求めになる際に、「イヤリングに加工します」等の案内をされる場面があるかと思います。
どちらも「加工」という単語が使われるので、「真珠の加工=製品化すること」という誤解が広まっているように感じることがございます。
ここでは真珠の加工について、整理してみたいと思います。
2.言葉を分けるとわかりやすくなります
はじめに社会科の授業のようなことを申しますと、
真珠の養殖:第一次産業
真珠の加工:第二次産業
真珠製品の販売:第三次産業
という分類で良いと思いますが、
当店は真珠の集散地である伊勢の真珠専門業者ですので、加工業者さんとの直取引が基本です。このため、ページ内で登場する「加工」という言葉は第二次産業の加工を指すことがほとんどで、真珠素材(材料)に対して施す加工を指します。
そして、当店を含め、多くのお店で言われる「イヤリングに加工します」等の加工については、金具を取りつけて商品化することや、商品(完成品)に手を加えて形を変えること等を指しますので、販売業務の中のサービスの一部(第三次産業)と考えるのが良いのではないでしょうか。
これらを混同しないようにするためには、第二次産業の加工は「加工」、第三次産業の加工については「製作」「改作」といった言葉を用いるようにすれば良いかもしれませんね。
当店でも、言葉の使い分けに気をつけていきたいと思います。
3.意識されずに使われることがあります
さて、皆様が真珠製品の購入を検討される際に、ネット通販の場合は、そのお店の会社概要のページをご覧になられることも少なくないと思います。そちらで「業務内容:真珠の加工、販売」を謳うお店はたくさんありますが、その「加工」は、もう皆様お察しいただけると思いますが、第三次産業的加工のことですね。よって、つい工場直売のイメージを想像してしまいますが、普通の販売店が販売業務の一環として「製作、改作を行います」という意味になりますので、お含みおきくださいませ。
これらを意図的に利用する店舗もあるかもしれませんが、ほとんどの場合は、重要なことと意識しないまま書いてしまっているものと思われます。
4.マイクロパーマネント加工は?
「マイクロパーマネント加工」、「PS加工」についても、お問い合わせをよくいただくのですが、「マイクロパーマネント加工」につきましては、真珠層の内部(内側)を補強するもので、私たち販売業者が簡単にできるものではなく、専用の機械を用いることからも第二次産業的な加工とお考えいただくのが良いと思います。「PS加工」につきましては、当店では取り扱っておりませんので、コメントを差し控えさせていただきます。
【参考】こちらの動画をご覧いただきますと、マイクロパーマネント加工の概念、手法をイメージしていただけるかもしれません。