花珠真珠店の評価基準
ここでは真珠の価値要素に対する当店の考え方を書かせていただきます。
1.てり
当店のほとんどの商品には、真珠科学研究所が発行した鑑定書が付属しておりますので、基本的に「てり」の評価も真珠科学研究所の流儀に則った見方をしています。
それは、表面の光の反射である「光沢」と、光を受けて真珠層の内側から現れる「干渉色(てり)」とを分けて考えるというもので、当店でも個々の商品を説明する際に、「てり」に関するコメントと、「光沢」に関するコメントを、それぞれ書かせていただいている場合が多いです。
真珠業界で一般に言われる「てり」はこれらが一体となってみられる様子を指し、また、真珠専門でない販売店さんや、一般消費者の多くは、「光沢=てり」だと解釈されることが多いので、これらを分けて考えることに多少の違和感を覚える方も多いかもしれません。
「てり」は光を受けて現れる現象であって、真珠自体が発するものではありませんので、どういった光を、どの位置から、どのような強さで受けるかによって、見え方が違ってまいります。
真珠科学研究所では「てり測定装置」を使用して、この上で見られるオーロラ現象を評価することで、てりの強弱、個性を判断しておりますが、その装置上で見られる状態と、一般の生活環境下で見られる状態が、必ずしも同じでない場合がございます。
一般消費者の皆様にとって重要なのは、生活環境下で見られる状態だと思いますので、当店では「てり」は屋内の自然光下で、真珠を直視した状態を評価しており、その点は真珠科学研究所の評価とは異なります。
てりの強弱は真珠の価値を左右する要素でありますが、当店ではそれを踏まえつつ、真珠の個性を位置づける重要な要素と考えております。
また、グリーンやピンクが出ない、白くてツヤツヤ・ピカピカなタイプがお好みの方もいらっしゃいますので、てりは強いほど万人にオススメというものでもありません。
当店では、てりの強弱だけではなく、どういった個性のものであるかをお伝えすることに注力しています。
2.まき
当店が扱う真珠は基本的に養殖真珠のため、核を持っています。
真珠は、核(淡水貝から人工的に作られた球体)の同心円状に真珠層が形成された構造になっています。
つまり真珠の本質は「真珠層」であり、その重要性はいうまでもありません。
また、真珠の世界では真珠層が薄い「薄まき」といわれるものは粗悪品扱いです。
真珠科学研究所発行の真珠鑑別鑑定書にはレントゲン検査により、真珠層の厚さが測定されて、記載されています。
※ 真珠業者が「まきが良い」と表現するのは、真珠層がきれいに重なり合ってカッチリと安定した様をさしていて、「まき厚」の数値とは別のものです。
3.色
真珠の色には、実体色(ボディカラー)と干渉色(てり)があり、一般には実体色を指して表現されることが多いです。
価値評価としては、実体色は純白に近いほど良いとされていますが、個人の嗜好によって純白よりナチュラル感のある色調が好まれる場合も多々ありますので、当店では、白さにこだわらずなるべく様々なタイプを取り扱うようにしています。
ただし、花珠の場合「ホワイト系であること」が条件の一つになっています。厳密には、純白、ピンク寄りのホワイト、イエロー寄りのホワイトなど、それぞれに個性があるのですが、ある程度の幅をもたせて「ホワイト系」と分類していて、鑑定書上では全てが「実体色:ホワイト系」と記載されております。このような理由から、花珠主体の当店では、商品の色分類を「てりカラー」で行っています。
4.形
基本的には花珠の基準をクリアした時点でOKと判断しています。
ただし、他店さまではラウンドとして扱われる、わずかな歪みもセミラウンドはセミラウンドとして正確にお伝えいたします。
その理由は、二つございまして…
ひとつは、真珠科学研究所の花珠合格基準が「ラウンド〜セミラウンド」と定義されているからです。「よし」とされているからこそ、厳密な判断をして、お客様に正確な情報をお伝えすべきと考えます。
もうひとつの理由は、取扱商品のほとんどがオーロラ花珠という、真珠ネックレス専門店だからです。
花珠検査によって自ずと形がコントロールされてしまうため、「ほぼラウンドです」「世間的にはラウンドです」という大雑把な伝え方をすると、すべてがそれで終わってしまいます。とても微細で厳密な話になってしまいますが、花珠合格基準の中での違いをお伝えしていくのが専門店の役割だと考えます。
当店では、その判断基準が根本となっておりますので、花珠以外の商品の場合でも、一般的なお店がセミラウンドと紹介する真珠は、当店の場合「オフラウンド」、セミバロックは「バロック」とさせていただいております。
5.面
花珠の基準をクリアしただけでは不充分だと考えて、なるべく面の荒れが少なくスムーズなものを選んでいます。
それゆえ、数粒でもネックレスに面の荒れが含まれる場合、かたち同様にきちんとお伝えするよう心がけています。
希少なサイズ、カラー、面の荒れを補って余りある魅力的なてりなど、価格に対して面の荒れを許容する意味があると判断し、商品をご紹介する場合がありますが、それをきちんと説明するのはもちろん、なるべく面の荒れが気にならないような透明度を有していることを絶対条件とするなど、かなりこだわっている要素です。
※当店が「面の荒れ」と表現しますのは、他店様で時折言われます「加工における薬品負け」や、表面がデコボコしているという意味ではなく、養殖過程で真珠層が形成されていくなかでできた「微小な隆起」や「薄いシワ」のようなものをさします。
6.きず
きずは真珠業者間の取引では大変重要視される部分で、価格を大きく左右します。
それゆえ、きずの少なさにこだわると全体的な印象の割に値段が高くなりがちです。
オーロラ花珠の特長の一つに「きずの少なさ」がございまして、対人距離で他人が認識できるほどの「大きず」があれば、そもそも花珠検査をクリアできません。よって、「嫌なタイプのきずでなければよし」といった考え方です。
ただし、画像に写っていないものもきちんとお伝えする努力をしています。
7.連相
理想としてはテリカラーまでビシッと揃ったものが良いのですが、これは場面によって表情が変わる部分ですし、価格との兼ね合いもありますので、現実的にはボディカラーでチェックしています。
イヤリングのペアに関しても同じ考えです。
ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください♪