こんにちは。竹内です。
前章のおさらいからはじめさせていただきます。
1)ミキモトを買う気がある方:ミキモト一択
2)ミキモトを買う気はなく、今どうしても必要ではない方:供給量が安定するまで年単位で待つ
3)ミキモトを買う気はなく、今どうしても必要な方:専門店の通販で今すぐに動く
第3章となります今回は上の3番の皆様に向けた内容になります。「なぜ専門店なのか」を今回、なぜ通販なのか、なぜ今すぐ買わなければならないのかを次回以降にシェアさせていただきます。
なぜ専門店なのか?
「鑑定書の存在意義が変わり、真珠そのものの価値をきちんとはかれる業者から購入すべき」が答えです。詳しく解説させていただきます。まずはこちら、私どもの楽天市場店にお寄せいただいた商品レビューの引用です。
アウトレット品とありますが、クルクルどこから見てもわかりませんでした。これがアウトレット品なら、アウトレット品でないものはどれだけ綺麗なんだろうと思いました。特に傷もなく、テリというのですか?とてもツヤツヤしていて大変満足です。 |
楽天市場店、Yahoo!ショッピング店は「花珠真珠専門店」を謳っておりますので、花珠検査でNGになった真珠はアウトレット扱いにするのが筋だと考えて、このような販売方法をとりました。お客様には「アウトレットに見えない」と評していただきましたが、私自身も「花珠で行けるだろう」と思ったからこそ仕入れたわけで、ここでの登場人物3者(お客様、真珠科学研究所、弊店)のうち、2者がグッドボタンを押し、1者がバッドボタンを押しただけのことなのですよね。もし判定方法が多数決なら花珠です。(笑)
ここで皆様に知っていただきたいのは、花珠真珠とはそういうものだということです。言葉は悪いですが、真珠科学研究所の独断です。それに対して文句や批判はありません。啓蒙活動はとても大変です。世間に認知していただくだけでも大変なのに、信用を得るポジションまでもっていくのは相当難しいことです。それを成しえた真珠科学研究所、オーロラ花珠にはリスペクトしかありません。弊店では、花珠真珠とはそういうものだとわかったうえで、これを望む消費者が多数なのであれば弊店が考える正当なかたちで提供していこうと考え、真珠科学研究所の資格所有者となり理念や検査内容を把握したうえで取り扱ってまいりました。
まず、ここまではご理解いただけましたでしょうか?
では問題です。もし上のお客様、真珠科学研究所、弊店の3者の例で、弊店の代わりに「ちょっとだけ真珠知ってるけど詳しくはない人」だった場合、お客様とちょっと知ってる人がグッドボタン、真珠科学研究所がバッドボタンだった場合、あなたは第3者としてどちらに軍配を上げますか?
私の父は50年弱真珠を仕事にしていましたが、定年前でも「わからないことはたくさんある」と言っていました。当然今の私などはわからないことだらけです。「エクセルどれくらい使えますか?」という問いに対して、エクセルの可能性を広く知っている人ならかなり使えるとしても「この程度なら使えます」と答えるでしょうし、自分の用途に足りる使い方ができてそれ以上を想像すらしない人なら「バッチリっす」と答えるかもしれません。真珠は深く向き合うほどにその先の奥深さが見えてくる、そういう品物です。専門性がとても高い商材です。専門ではない販売店の知識をバカにする気持ちは一切ありませんが、真珠に対しての熱量は当然違うわけですから、差がついて当たり前です。
ところが、花珠鑑定書を添付して「この鑑定書がついている=良い真珠」と、真珠の良しあしではなく鑑定書を持ち上げることによって、百貨店や一般宝飾店、専門ではないテレビ通販や通販雑誌でも真珠を販売することができています。真珠がどういう仕組みで出来上がるのかすら知らなくても「この鑑定書がついてるからとてもいい真珠ですよ」と言えてしまい、目に見える鑑定書があることで消費者は信用してしまうのです。
つまり、専門店でないということは「ちょっとだけ真珠知ってるけど詳しくはない人」だといえますが、それの何が問題なのか? いよいよここからが本章の重要な部分になります。
私は今、鑑定書のありかたについて、大きな疑問を抱いていて、少なくとも今後数年に関しては「取り扱わないほうがいいのでは?」と考えたりして迷っています。疑問とは、これだけ全体量が減ってしまったなかで、独断による優劣イメージをつけることで、誰がハッピーになれるのか?ということです。
例えば、大福で考えてみましょうか。一緒に考えてみてください。あなたは大福工場の社員で、重要な立場の人です。このたび、出荷前の大福をあなたが検品することになり、あなた基準でグッドボタン、バッドボタンを押せるようになりました。味、目方は同じですが、あなたの独断でグッドボタンを押した大福には「花大福シール」を添付して花大福を名乗れるようにしました。花大福を出荷できる確率は、全生産量の50%です。一日に生産できる大福が10万個だとすると、花大福は5万個になりますね。花大福の注文数にも充分対応できていて、花大福の販売価格は普通の20%増しですが、需要があります。ところが、ある日突然、小豆の生産現場で大変なことが起きて小豆の生産がストップ、全く流通しなくなりました。どう手を尽くしても小豆が仕入れられません。工場の在庫の小豆を使って当面の計画を練った結果、工場を稼働し続けるためには一日の生産量を千個に抑えるしかありません。そうなってもあなたはこれまで通り一日500個の花大福を出荷し続けますか? 当然花大福を望んでおられるお客様全員にお届けできる量ではないので、問い合わせが殺到し、その対応に追われることになります。この状況、誰がハッピーですか? 小豆の生産・流通が通常に戻るまで、花大福はやめた方がいいのでは?と考えるのもご理解いただけますでしょうか。 そして、このタイミングで「毎日千個、花も普通も関係なく全部買いますよ」と海外企業から連絡があり、しかもこれまでの日本企業は1個平均100円でしか買ってくれなかったところ、120円出しますといわれたら、どうしますか? いっそ国内取引自体を休止しようという考えをもつことはありませんか?
話を真珠に戻します。
一般消費者は業者のように日常的に真珠のことを考えているわけではないので、真珠が国内の販売店から消える日が来るかもしれない現状を当然知らないわけです。ですが、花珠真珠という言葉は知っているので、真珠を買おうと思い立った時、花珠真珠を探します。その時に「花珠真珠はもう過去のことで、今は中国でだけ流通しています。日本ではそういうのはないんですよ。将来また復活するかもしれませんけどね。」と言える世の中になっていれば、花珠真珠に対する誤解が生まれることもなく、私たちも無理をして花珠製品をつくる(大きな付加価値をつけざるを得なくなる=割高になる)必要がなくなり、業者間で評価された真珠そのものの価値に応じた価格で消費者にご購入いただく、そのほうがみんなのハッピー度は上がるのではないか?と思ったりします。なにしろ、上述のレビューの件が証明している通り、花珠か花珠でないかの差は、誰しもが納得できるものではないことも多いのですから。
繰り返しますが、私は花珠鑑定書否定派ではありません。むしろ肯定派としてやってきました。全体量が充分にある中で花珠製品を仕立てることは消費者のニーズにこたえるという意味で良いと思いますが、今のような素材不足のなかで花珠製品をつくることは、少ない中から選り好みをしてさらに量を少なくする行為であり、そこまでやるならそれ相応の付加価値を販売価格にのせないと成立しないことになります。ですが、国内の一般的な消費者が真珠にかける予算は年々下がり続けています。「予算はないけど花珠しか買いたくない」とお考えの消費者が一定数いることはわかっているので、実店舗、通販にかかわらず鑑定書を利用したほめられない商売や商品が存在し続けています。
それでは、「なぜ専門店なのか?」の結論を書きます。
それをよしとするか、抗うかは業者それぞれの考えによりますが、すくなくとも専門店であれば真珠そのものの価値をはかることができます。専門ではない販売店の場合、品質はわからなくても売れそうなパッケージに仕立てられていれば仕入れますから、「鑑定書はつけていないけど品質なりの価格で真っ当な真珠」よりも「よくわからないけど売れそうな真珠」を好みます。つまり、専門店ではない販売店を選ぶということは、売れそうだからという理由で仕入れられて並べられた真珠を買う可能性が圧倒的に高まることになります。また、専門店でも「売れることが正義だ」と考える向きもありますので、注意が必要です。「自分が選んだ真珠を自分で検査を通して販売しよう」と考える店舗と、「花珠鑑定書取得済みのものを仕入れてそのまま販売しよう」と考える店舗があります。この見分け方は色々あるのですが、一番簡単なのは「電話で話してみること」です。たくさんの店舗に電話して話しているうちに、熱量や知識の違いがわかってきます。みなさま、真珠のことはわからなくても話す相手が信用に足る人物かどうかを判断することはできるのではないでしょうか?
ご不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
次章では「なぜ通販なのか?」についてシェアさせていただきます。今の時代「店舗に出向いて実物を見ないと納得しない」という考えは古いということを解説したいと思います。この情報をいちはやく受け取りたい方は、私のツイッター、フェイスブックをフォローしてお待ちください。記事をアップした直後にその旨発信しています。
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