こんにちは。竹内です。
今回も花珠鑑定書についてしつこくやっていきましょう!
この記事の趣旨 今、花珠鑑定書つきフォーマルセット(連のネックレスと耳飾りのセット)を買うと、もれなく大きな「もったいない」がついてきます。創業以来花珠鑑定書推奨派の弊店が「今は一旦違う」と思う理由をお伝えしたい!ご購入はこれを知っていただいてからでも良いと思いますので、まずは知ることから始めてみませんか? |
では、前回予告したように、2019年のアコヤガイ稚貝大量死によって花珠鑑定書推奨派だった私が「今は一旦違う」と考えを切り替えた理由について詳しく解説していきます。
10.商品の価値と価格について
前回(第3章)の8で出した例をもとに考えてみましょう。
仕入れた連5本を仮に単価30万円(仕入原価ではなく販売価格)と設定します。この時点では5本すべてが同等品で同価格です。
場面変わって、花珠鑑定書を取得したあとの価格についてですが、
・ドナー品 30万円 x 1本
・花珠鑑定書取得品(30万円+かかった経費)x 4本
ここまでは算数で、全員が理解できるところだと思います。
ですが、実際にはドナー品は30万円で購入していただけません。30万円の花珠鑑定書つき商品(原価ベースではドナー品の格下)が販売されていれば、消費者には鑑定書なしで30万円の魅力がわかりにくく、鑑定書なしを選択する人はあまりいらっしゃいません。ではどうするか?ですが、ドナー品を実際に売れるであろう価格に設定することになります。
その調整をしたあとの価格例は、
・ドナー品 10万円 x 1本
・花珠鑑定書取得品(30万円+かかった経費+5万円)x 4本
になります。
花珠に加算された5万円は、本来30万円の価値があったドナー品を10万円で販売することで、差額の20万円を付加価値を乗せた方(花珠鑑定書取得品)に振り分けた計算です。20万円 ÷ 4本 = 5万円。
さらに、「かかった費用」について具体例となる数字を入れてみると、
・ドナー品 10万円 x 1本
・花珠鑑定書取得品 38万円 x 4本
となります。
※わかりやすくするため金具原価については触れません。
仕入れた時点では5本すべてが同等品で同価格だったのに、花珠真珠キャンペーン対象商品に仕立てた側の付加価値料がどのくらいになるかイメージできたのではないでしょうか。
さて、繰り返しになりますが、これは超品不足時代以前のモデルになります。そもそも、デフレの中でネット通販時代を迎えて私たち業者が真珠製品を不当に安く販売してしまっていた背景があり、付加価値が乗せられた価格でもベースが安すぎたため充分にその価値はあったと思っています。2019年のアコヤガイ稚貝大量死以降これがどう歪んでいくのか、解説していきたいと思います。
11.品不足の中でも意味はあるのか?
絶望的品不足時代に突入して、真珠の相場が高騰。そもそも30万円だった商品が50万円(仮)になりました。このケースでは約66.6%高騰したことになるので、単純に上の計算例にあてはめると、
・ドナー品 16.6万円 x 1本
・花珠鑑定書取得品 65.3万円 x 4本
となります。
テレビなどで商店の店主が「物価高騰の中、うちは価格を据え置いて頑張ります。」とか「長年この価格で販売してきましたが、この度やむを得ず値上げさせていただきました。」といったコメントをしておられます。ありがたいことです。ですが、真珠の場合はそもそも供給量が激減していて、中国マーケットがごっそり買い上げる図式になっていて、真珠製品の相場を握る加工会社さんにとって中国マーケットがこの価格を受け入れ続ける限り値段をがんばる必要はありません。日本人顧客のために頑張りたい気持ちはあったとしても、そもそも量がないので余裕がありません。
12.予算面の問題がない人へ
65.3万円(仮)が予算的にOKで、花珠鑑定書がキャンペーンツールだと知っても、やっぱり花珠鑑定書つきを買うという方は、全然それでよいと思っています。業界の端くれものとして嬉しく思います。実際、私自身が「これはいいなぁ」と思える品はもう少し高額になりますが、きっとそのもう少しがのちの満足になると思いますので、是非私どもにもお声がけください。
13.真珠にそこまで払いたくないという人へ
そして、人生設計の中で、真珠セットに65.3万円をかける選択はない、でも真珠セットは今必要だという方には二つの選択肢があります。
その1 花珠鑑定書なしで検討しましょう。先に書きましたように花珠鑑定書は高品質を称えるためのものではなく、キャンペーンツールです。真珠相場が高騰していることによる価格の上昇は避けられませんが、キャンペーンのための付加価値料を払うのをやめましょう。
その2 納得がいくまで安価な花珠鑑定書つき製品を探しましょう。おそらく経年変化が大きく、短期間で古物感いっぱいの状態になると思いますが、消耗品と考え、少し引っ張って15年後に買い替える前提でいてください。15年後にどういう状況になっているかは誰にもわかりませんが、今安価な花珠を選択するのはそういうことになります。
14.贈り物なので鑑定書があるほうが格好がつくとお考えの方へ
わかります。その気持ちはよくわかる立場で、一つ伺います。
黙って良い品をポンと渡すことに高い優先度を置いていらっしゃいませんか?
こういう時代なので、贈られる側の人と一度コミュニケーションをとってみてはいかがでしょうか。「真珠を贈りたい」「今、真珠は大変なことになってるらしい」とあなたが学んだことを伝え、相手の希望を伺ってみてはいかがでしょうか。意外に鑑定書つきを前提に考えていたのが自分だけだったりすることもあると思います。
また、真珠製品は買って終わりではなく、お手入れやメンテナンスをしながらつきあっていく品です。購入時にあなたがたくさん勉強して良い品を贈ったとしても、贈られた人が真珠に興味がなく無頓着に扱ってすぐにダメにしてしまう可能性もあります。贈られる人の価値観を知って、それに合う品を贈ることも格好いいと思います。
本章のまとめ
今回はマジでしつこかったですね。(笑)それ以外にまとめの言葉がありません。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。
余談:かつては販売店や卸商の人が自分たちで仕立て直しをして花珠鑑定書を取得していて、花珠鑑定書を取得するための費用は加工会社が行うよりも安くすんでいました。しかし、加工会社さんから鑑定書取得済み製品を仕入れることでドナー品を自分で抱える必要がなくなり、仕入れてすぐに販売できるため時間の無駄を考えなくて済むことのメリットが大きく、自分で手間暇をかけるよりも少し多めの手数料を払うことになっても充分のその意味はあると考えています。
余談の余談:弊店ではドナー品をアウトレット品として販売したり、メルカリshopsに出品したりしています。ずいぶん減りましたが、まだ少々あるので気になられた方は花珠真珠店メルカリshopsをご訪問のうえ、ぜひフォローをお願いいたします。新商品がアップされたときに通知が行きます。
次回はいよいよ今花珠鑑定書を選ぶともれなくついてくる「もったいない」について解説します。最終章になると思います。弊店のツイッターをフォローしていただければ、記事をアップした通知が届きますので、よろしければご利用ください。
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