こんにちは。竹内です。
今回も花珠鑑定書についてしつこくやっていきましょう!
この記事の趣旨 今、花珠鑑定書つきフォーマルセット(連のネックレスと耳飾りのセット)を買うと、もれなく大きな「もったいない」がついてきます。創業以来花珠鑑定書推奨派の弊店が「今は一旦違う」と思う理由をお伝えしたい!ご購入はこれを知っていただいてからでも良いと思いますので、まずは知ることから始めてみませんか? |
では、前回予告したように、販売店と花珠鑑定書の関係について再確認していきましょう!
5.消費者の期待と販売店の現実について
私が「鑑定書を信用して真珠製品を買ってはいけない」としつこくお伝えしている理由は、消費者の期待と販売店の現実がかみ合っていないからです。真珠製品の購入経験がない消費者は「花珠鑑定書つき=最高品質」「花珠鑑定書つき=安心」だと勘違いをしたまま商品を物色し、多くの人は「鑑定書つきの中でなるべく安い商品」を選びがちです。
すべての販売店は「消費者はそういうもの」と理解しています。そのうえで、販売店は自店の方向性や商品ラインナップをある程度選ぶことができます。ざっくり以下の3パターンがあると思います。
A)鑑定書は取り扱わない
花珠真珠キャンペーンに興味がない店舗(代表例:ミキモト)と、反対姿勢の店舗があります。
B)発行会社によらずすべてを取り扱う
メジャー、マイナー関係なく、様々な鑑定書を取り扱う店舗(目安として3種以上)は、自店で鑑定書の格付けを行い、鑑定書の格に合わせて商品の販売価格を決める(またはその条件に合う商品を仕入れている)こともあるようです。売れることが正義であり、商品に対するこだわりはあまりない。「こういう商品を求める消費者がいるから売る」という考え方で、決して悪いことではない。真珠上級者にとっては少々頼りなく見えて「これのどこが花珠なの?」と訊くと、おそらく「これを花珠だと認めているのは鑑定書を発行した会社であって自分たちではない。もしお気に召していただけないようでしたら、少し値段が上がりますがこちらB社の花珠はいかがでしょうか?」と答えるでしょう。
C)発行会社を選んで取り扱う
メジャーな鑑定書しか取り扱わないと決めている店舗は、マイナーな鑑定書は無意味だと知っていて、消費者にその説明ができると考えられます。とはいえ、メジャー鑑定書つき製品も価格はピンキリですから、安価なものは価格なりの品質でしかないことは覚えておきましょう。
6.花珠真珠店と花珠鑑定書の関係について
消費者が花珠鑑定書つき製品を希望するなら添付すればよい。消費者が花珠鑑定書つき製品に高品質や美しさを期待するなら、その期待を裏切らないものだけを販売すればよい。という考え方でスタートしました。もちろん当初から品質は値段なりだと言っております。まずは弊店の取扱価格帯の中で、真剣に品選びをして、自分で手直しをして、自分で花珠検査を通して、納得の品だけを販売しました。
鑑定書については今でも真珠科学研究所とだけ取引をしています。業界共通の花珠基準はないので、複数の鑑定書を取り扱うということは、「弊店の理念や品質の軸」がぶれることになると考えました。真珠科学研究所の鑑定書を取り扱うにあたって、鑑定の意味や内容を理解するため開店前に同研究所の資格保有者となりました。
ただ、2011年から1年半ほど真珠科学研究所以外の鑑別書を扱っていたことがあります。「本真珠である」というだけの、品質には一切触れていないものでした。震災後に商売が完全に止まってしまい、打開策として発売した企画商品に採用しました。
2019年のアコヤガイ稚貝大量死を受けて、まず最初に「鑑定書が希望されるなら添付すればよい」という姿勢が維持できなくなる危機感を覚えました。現在は自分で花珠検査を通すことは行っておらず、加工会社さんが鑑定書つきで用意してくれている品の中からお客様のご要望に合うものを選んでご紹介させていただいております。
本章のまとめ
前回説明しました通り、花珠鑑定書はキャンペーンツールなので、高品質な真珠製品に自動的に付属しているものではなく、販売店が方向性に応じて「売るために活用している」ものだと今回はお伝えいたしました。高品質だから付属しているものだと信じて疑わなかった方には、真っ向から否定された感じでざわざわしておられるかもしれまん。でも、考えてみてください。真珠は母貝から裸一粒で生まれてくるわけで、鑑定書を背負って生まれてくるわけではありません。流通過程のどこかでキャンペーン対象商品に振り分けられて添付されています。消費者の期待を裏切らないように鑑定書を活用する販売店と出会えることができれば、両者ハッピーで何の問題もありません。問題は、商売だから売れてなんぼという基本中の基本に販売店がどう向き合うかということです。安いものを安く売る店があって悪いはずがないのですが、安い品にも花珠鑑定書がつく現実があって、これを見た消費者が「高品質の花珠真珠が安く買える」と誤解してしまうところに私たち業者の課題があるのだと思います。私には課題解決に向けて業界をまとめ上げていけるような器量はありませんので、こうしてしつこく訴えていくしかないと思っております。
次回は、消費者から見えない花珠鑑定書取得の裏側についてシェアしたいと思います。弊店のツイッターをフォローしていただければ、記事をアップした通知が届きますので、よろしければご利用ください。
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