こんにちは。竹内です。
何度も書いたテーマではありますが、春の行事に向けてフォーマルセットをお探しの方が多い時季になりましたので、2023年版オーロラ天女とは?としてやっていきたいと思います。
今フォーマルセットを探している人は忙しいでしょうから、先に結論を書きますね。
結論
オーロラ天女はオーロラ花珠の上に位置するものではなく、オーロラ花珠という大きな円の中にある小さな円という位置づけです。オーロラ花珠という大きなくくりの中にはさまざまな個性があり、その個性を分類化したうちのひとつに過ぎません。つまり、オーロラ天女は基本オーロラ花珠であり、その中の一つの個性なのです。品質の問題ではなく個性の問題なのです。
では、勘違いしていたみなさまの絡まった糸を解いていきたいと思います。
じゃあオーロラ天女ってなに?
オーロラ花珠に合格することが第一条件で、これを通過した製品に限りオーロラ天女の検査を受けることができます。この仕組みが天女=格上だと誤解される要因の一つだと私は考えます。オーロラ天女の検査を受けるか受けないかは販売店の判断によるもので、真珠科学研究所が検査結果をもとに「はいこれ花珠、はいこれ天女」みたいに振り分けてくれるものではありません。オーロラ天女の検査は、干渉色について花珠をもう一段掘り下げてみましょうという意図で行われており、干渉色以外の要素についての再検査は行われていません。
乱暴な言い方になるけどわかりやすく
例えば、訪問した真珠店に60万円の天女、その横に80万円の花珠が並んでいます。天女=最強という理解では、困惑する光景ですが、普通にあり得ることです。真珠の価値を評価するポイントには、サイズ、色、形、まき、てり(干渉色と光沢)、面、キズ、連相があり、その平均点で価格(=価値)が決まります。よって、オーロラ花珠検査をぎりぎり通過したレベルだけど干渉色は天女の条件に合っていた60万円の天女があり、すべてが上質だけど干渉色は天女の条件に合わない80万円の花珠があるわけです。どちらが格上かというと、当然80万円の花珠ということになります。
重要なことは、これを知っておいていただくことです。花珠と天女ではっきりと価格帯がわかれている店舗がありましたら、意図的にそうされていると思っていただき、店員さんに理由を訊いてみると良いでしょう。「天女は花珠より格上ですから」という答えなら、「わかっていない」または「消費者の誤解に乗じている」と受け取り、一旦距離を置くことをおすすめします。
真珠科学研究所でも対応は進んでいる
真珠科学研究所では世間の情勢に応じて、鑑定書のアップデートを行っています。現行鑑定書では干渉色に関する分析結果は天女(SPタイプ)にのみ記載されていて、花珠(SSタイプ)には見られなくなりました。これはオーロラ花珠の中で干渉色について一段深掘って検査したものだということを意味していると私は受け取っています。
間違えると痛すぎる勉強代になる
天女が最強の真珠だと思って天女を購入するという行動は理解できます。最高のものを手に入れたいというお気持ちで、それなりの予算もあるということですよね。ただ、それは間違いですから、わかっている人間から見るとどのくらい間違った行動なのか、わかりやすく例えてみます。
「ショッキングピンクの服をください」
「ショッキングピンクですね?」
「はい。ピンクの中のピンク。最強のピンクですからー!」
おわかりでしょうか?
オーロラ天女はオーロラ花珠の中の一つの個性ですから、その個性が似合う人には良いチョイスとなり、似合わない人には良いチョイスとは言いにくい結果になってしまします。
ペンダントや一粒のネックレスであれば、似合う似合わないは厳密すぎる世界になるので気にする必要はないと考えています。ご自身が好きと思えるものを選べばいいと思います。ですが、連のネックレスは粒がずらーっとつながって、粒単位でも個性が強い真珠の場合その世界観がもりもりになるため、身に着ける方がもつ世界観と競合することになります。やわらかーい印象の方には、やわらかーい印象のパールネックレスが溶け込みやすいと書くと、ご納得いただけますでしょうか。
最高品質のパールネックレスをお探しの方は、天女だ花珠だということは一旦忘れていただいて、まずは最高価格に着目してください。そのうえで「この価格帯で、こういう印象のネックレスを購入希望です」と店員さんに伝えて、その結果として「この花珠はいかがですか?」「この天女はいかがですか?」「これには鑑定書はついていないのですが条件に合ってます」といった提案があり、「結果として自分に合うのは天女だった」そういうことでいいのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。
参考
写真の真珠は干渉色が強く現れ、天女の条件に合うと私は思っているのですが、そもそも検査を受けていないので花珠ですらありません。
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