こんにちは。竹内です。
店舗に出向く等、実物で真珠選びをする方に向けて、きっとためになる情報をシェアします。参考にしていただけると嬉しいです。
見れば見るほど わからなくなります
たくさんある中から選びたいと思うのは自然なことです。が、私の経験上、数を多く見れば見るほど違いがわからなくなり、10分もすると全てが同じに見えてきます。どこをどう見ればいいのか、何をチェックすればいいのか、わからなくなり、ほぼほぼ迷子になります。これは、そういうものです。ご自身を優柔不断だと思わないでくださいね。そういうものです。私を含む全ての真珠屋さんも真珠業界に入ったばかりの頃に、経験済みです。
店をまたいでの比較は超難しいです
真珠はその場その場で違う表情を見せます。自然光ですら、天候はもちろん、どの方角を向いた窓で見るか、何時ごろ(太陽の傾き)見るかで全然違います。店舗はそれぞれに違うライトを使用していますし、どの位置に真珠コーナー、接客テーブルを置いているかもそれぞれです。自然光が入る店舗もあれば、入らない店舗もあります。このように環境がまちまちの状態で見た真珠の記憶を頼りに、店舗をまたいでの比較はかなり難しいです。
値札がついていない品には手を出さない
専門店にありがちなことですが、商談をしている途中で「入荷したばかりの品があります」「組み上がったばかりのネックレスがあります」と紹介される場合があります。もしその品に値札がついていないなら、絶対に避けるべきです。店舗は「入ったばかりなので値札もまだついていません」と説明しますが、販売価格がはっきりしない品に手を出してはいけません。もし、その品に一目惚れしてしまった場合は、必ず強気の価格交渉をしましょう。値札が手書きであることは気にする必要はありませんが、鉛筆で書かれていたら、その品(その店)はやめたほうがいいです。
鑑定書を取ってから納品しますと言われたら
花珠真珠を探している場合に、鑑定書がとれていない状態で商談をして、「決めてもらってから鑑定書を取得して納品します」と言われるケースがあります。この場合、決して了承してはいけません。「では、先に鑑定書を取って連絡してください。もう一度来ます。」と答えるのが正解です。と同時に、1-2週間待って、もう一度足を運ぶほど惚れ込んだのか?とご自身に問うてみてください。もちろん手付金などは払ってはいけません。
では、どうすればいいのか?
私の経験上、お客様の条件に該当する商品が2点だった場合、(今回はなしという答えも含めて)100%答えを出していただけます。3点だった場合、約半数の方は答えを出してくださいますが、約半数の方は「こういうものも見てみたい」とおっしゃり、見ていただく数が増えるほど迷子になられます。難しいのはネットで見ているからで、実物を見れば決められるだろうと思っていたのに、想定外の事態になり、さらに困惑なさる方も多いです。
つまり、店舗に出向く前に希望条件がはっきりしているほど該当する品が限られるので、見る数が少なくなり決めていただきやすいです。
<ネット店舗で選ぶ場合>
候補を2-3点に絞ってから、実物確認のつもりで見にいきましょう。商談を予約する時に「これとこれとこれを見せて欲しい」と伝えておきましょう。候補が絞り切れていないまま実物を見にいっても、ほとんどの方が迷子になります。
<実店舗で選ぶ場合>
予算とサイズは必ず決めてから出かけましょう。サイズも試着して決めたいという方は、複数回に分けて出向くつもりで、初回にサイズを決めるためだけの予定を立てましょう。予算とサイズが決まったら、真珠の地色です。白いタイプ、ピンク薄め、ピンク濃いめ、黄色っぽい白など、地色まで決まっていれば、お店がどれだけの在庫を持っていようと該当する商品はかなり絞られます。どんな色を選ぶべきかわからない人は、それを決めるためだけの日を予定しましょう。実店舗で、失敗しない真珠選びをするには「経験」が必要です。初めての人は、一度で決めようとせず、「今日はサイズを決めるだけ」等のワンイシューで複数のお店に幾度か足を運ぶつもりで予定を組んでいただくと良いでしょう。それも必ずあなたの真珠経験値になることでしょう。お子様のご入園、ご入学に合わせて初めての真珠選びをする方は多いですが、小さなお子様のお世話をしつつ、何度も店舗に足を運ぶのは、かなり難しいと思います。そういう方はまずネットを活用して情報を収集するところからはじめていただくのが良いと思います。情報収集にはパソコンをご利用ください。スマートフォンサイトは、スペースの都合上メニューがわかりにくく、どれだけ有益な情報でも埋もれがちで、見逃しがちです。
<実店舗で見てネットで注文する場合>
実店舗で希望の品を決めて、条件に合うものをネット通販で購入する場合ですが、注文ボタンを押す前に、店舗にコンタクトを取りましょう。こういう品を検討中で、実店舗(具体名を出して)で確認済みということを伝え、ご自分の見立てが外れていないか確認してから注文しましょう。
<ネットで知識を得て実店舗で購入する場合>
メジャーな鑑定書がついた商品を選ぶ場合に限り、このパターンもあると思います。店員さんが頼りないと感じてしまったら、すぐに別の店舗に移動しましょう。また、キープに該当する品がありましたら、戻ってきた時にすぐわかるように値札の写真(表裏両面)を撮っておきましょう。
まとめ
ネットではわからないから実物を見たいと思われるのは自然なことですが、実物を見てもやっぱりよくわからないと感じる人が多いのもまた事実です。弊店での平均的な接客時間は一組あたり3時間です。量販店ではこういった接客はできませんので、きちんと選んで納得の真珠を手にしたいとお考えの方は、実物を見た瞬間に○×の判断が下せるだけ条件を詰めておくか、じっくり相談に乗ってもらえるお店を選ぶかが重要なポイントとなるでしょう。
超重要!
実店舗をまわっていただくと、「安くて最高なものなどない」ということがおわかりいただけると思います。また、さまざまな種類の鑑定書の品を見比べることで、鑑定書の信憑性についてもご自身なりに整理していただけることと思います。
そして、真珠業界は分業で成り立っていますので、基本的に店舗は仕入れたものを販売しています。仕入れコストがある限り、安く売るにも限度があります。「卸だから安く売ります」「ネットだから安く売ります」と謳ったところで、一等地に事務所を構えていれば、高額な家賃、従業員の給料等を払い続けていくための利益が必要なわけですから、そういったコストが高額な会社ほど利益率を高く設定しないと成立しません。
度々書いていることですが、全ての人が高額な真珠を買うべきだとは思いません。ただ、どのような鑑定書がついて、どのような謳い文句が踊っていても、真珠は値段なりですので、安価な品をお選びの際に過度な期待をしてはいけません。
30万円の品を30年使うことと、10万円の品を10年毎に買い換えることでは、30年間に真珠にかける金額は同じです。後者の考え方も当然あると思いますが、利益率を考えた場合(あなたが30万円の中から支払った店舗の利益を考えた場合)、お値打ちなのは前者です。価格が安い方が販売店が努力していると考えがちですが、安い品は「極端に安い原価にたっぷり利益を乗せても、まだ安く感じる値段で販売できるもの」であることがほとんどです。
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