こんにちは。竹内です。
今回も花珠鑑定書についてしつこくやっていきましょう!
この記事の趣旨 今、花珠鑑定書つきフォーマルセット(連のネックレスと耳飾りのセット)を買うと、もれなく大きな「もったいない」がついてきます。創業以来花珠鑑定書推奨派の弊店が「今は一旦違う」と思う理由をお伝えしたい!ご購入はこれを知っていただいてからでも良いと思いますので、まずは知ることから始めてみませんか? |
では、前回予告したように、今花珠鑑定書を選ぶともれなくついてくる「もったいない」について解説します。
15.もったいない その1 付加価値代金のこと
私個人が思うところとしましては、真珠製品に対して高額な出費をしていただけるのはありがたいことですが、真珠生産量超激減時代になったことでそもそも相場自体が高騰しており、その高騰した価格に加えて花珠鑑定書の付加価値料をお支払いいただくことに「今は一旦違う」と思っているわけです。事情を承知のうえで、それでも花珠を選ぶ方は一定数いらっしゃいますし、その人たちに私が「やめたほうがいいです」と言うことはありません。ご要望に沿った手配をして、ご自身の選択に満足していただけるよう努めます。
ですが、かつてそうだったように店舗側から積極的に花珠真珠キャンペーンを展開していくような時代ではなくなったという意味で「今は一旦違う」と考えているのです。
第4章11で書きました通り、もともと私たち業者の評価では同等品だった素材に対して、付加価値を乗せた側と、そのためのドナーになった側で、店頭に並ぶ時点ではこれほどの金額差が生まれてしまう現実があります。そして、その付加価値(花珠鑑定書)はあなたにとってそれだけの付加価値料を支払う意味があることでしょうか。それが資本主義だと言われればその通りです。ただ、今の価格の相場は中国マーケットがけん引しているものであって、私たち日本人が真珠熱を高めた結果とはいえませんので、日本の消費者に対して花珠真珠製品を選ぶのはどういうことかを丁寧に説明し選んでいただくべき時代になったのではないかなと思っています。
16.もったいない その2 真珠の使い方
例えば、8-8.5mmの連のネックレスを1本作るには、色てりの方向性や強さがマッチしている50粒を選ばなければなりません。あなたが連組みをするところを想像してみてください。個性さまざまな100粒から50粒選んで1本を作るのと、1000粒から作るのとでは、どちらがより精度の高いネックレスができそうですか?
今は生産量が激減していて、少ない素材の中で連組みの職人さんたちは頑張っておられます。渾身の一本を作ってやるというマインドセットは無理で、なるべく余り珠を出さないように折り合いのいいところを探しながらの、とても難しい作業なります。昔からメーカーの仕事はそういうものだといわれればそうですが、量があった時代の妥協と今の妥協とでは、出来上がる製品の平均点が全然違うと思っています。
そういった難しい状況で、せっかく一粒の最適な居場所を見つけてあげたとしても、花珠鑑定書を取得するために否定された粒を入れ替えなければならず、人為的に強いられる妥協を受け入れなければなりません。そうして全体がブラッシュアップされるのであれば良いのですが、素材がない中で鑑定書取得を優先すると、職人目線で本来ここに収まるべきではない粒であってもOKを取るにはこれを使うしかないという妥協の産物が増えてしまうことになります。
これって、限られた素材を有効活用できているとは考えにくく、もったいないと思っています。
17.もったいない その3 花珠鑑定書の評判を落とす?
量が減っている中で花珠鑑定書つき製品をなるべく多くつくるためには、キズっぽいけどNGではない粒を有効活用しなければなりません。また、そういう粒ばかりでネックレスを組むとNGになるので、NGにならない程度の分量で振り分けなければなりません。量があったころの花珠鑑定書つきネックレスでは、ある価格帯以上の品は本当にキズが少なかったのですが、今は値段にかかわらず、すべての品に一定量のキズっぽい粒が組み入れられています。
量があったころにご自分用の花珠鑑定書つきネックレスを購入した人が、今年成人するお嬢様のために花珠真珠を贈りたいと購入したとします。ご自分のころと比べて高額になったのはしかたないとしても、「自分の時よりもずっと高額な買い物になったのに、なんかキズ多くない?」といったことが全然起こり得る状況です。成人年齢が18歳になったことで、今年成人を迎えるお嬢様の入園式用に購入したネックレスの場合、2007年~2008年に購入されているので、そういう声が上がり始めるころなのかなと思います。
せっかく業界全体で盛り上げてきた花珠真珠キャンペーン、歴史的に例を見ない大成功となっていますが、今きちんと情報をシェアしないと評判を落とし、また真珠製品に対する世間の関心が薄くなっていくのではないかと心配です。そうなってしまったらもったいないと思います。
18.花珠真珠店は花珠真珠を売る店ではなくなるのか?
繰り返しになりますが、大切なことなので最後に書かせていただきます。弊店はあくまでも花珠鑑定書推奨派です。花珠鑑定書の使い方については、消費者の期待に応えることを目的とし、正しく利用されるべきという考えで変わりありません。今も花珠真珠を購入希望のお客様に対しては、きちんとご要望を伺ったうえで、条件に合う中で最良と思える品をご紹介させていただいております。今回皆様にお伝えしたいのは、「今は一旦違う」と思っていることとその理由であって、花珠鑑定書を否定するものではありません。また、生産現場の状況が改善され、一旦違うと思っていることが解消され次第、積極的に花珠真珠キャンペーンを再開してまいる所存です。それまでしばらくの間、花珠真珠製品はリクエストベースのネット版サロン形式(実物商談を含む)での手配とさせていただきます。
最後に弊店が花珠鑑定書を推奨する理由をお伝えさせていただきます。
・第三者による検品である。
・多くの消費者が望んでいる。
まとめ
長く、しつこい話におつきあいいただき、ありがとうございました。いかがでしたでしょうか?過去に花珠鑑定書に関してここまで赤裸々に語った人はいないと自負しております。これだけ知っていただいた今となっては、花珠鑑定書は最高品質の証、オーロラ天女が最強で、オーロラ花珠、真珠総合研究所の花珠が2位3位と続くといったこれまで消費者が思い込まされていたことが、バカバカしく思えてくることと察します。キャンペーンツールの正しい使い方としてはそれが正解なのかもしれません。花珠真珠キャンペーンの黎明期に「これはキャンペーンであり、鑑定書はツールです」と言ったのか、言わなかったのかは、私にはわかりません。当時の私は旅行業界から転職したばかりで、僭越ながら「真珠業界の人たちは売り込みが得意ではない」と感じていましたし、真珠業界の人たちからは「世間の真珠への理解と興味が低いから先が心配だ」といった声も聞いておりました。その状況に変化をもたらしたのが花珠真珠キャンペーンだったので、歴が浅い私にとっては良い印象でしたし、これをうまく活用できれば全員ハッピーを実現できるような気がしていました。
いろんな立場の人がいて、いろんな意見があると思います。これはあくまでも私の立場から見たことであり、私の意見です。他人の意見を否定する気持ちはありません。もし私に従業員がいて、守るべきものが今よりもずっと重い立場でいたなら、このような記事をあげることはなかったかもしれません。でも、今の私は「こんな記事は私にしか書けない。世間には真実を知っていただいたうえで、それぞれに判断してほしい。」という信念をもって取り組ませていただき満足しております。
次はこの5章を一つにまとめて、ブログではなくお店のコンテンツの一つとしてアップします。そして、真珠の生産現場が今の危機を乗り越えて、生産量、国内流通量が安定し、このコンテンツを削除できる日が一日も早く来ることを望んでいます。
本記事に関するご質問は本ページ下部のコメント欄をご利用ください。
よろしくお願いいたします。
コメント失礼いたします。
「花珠鑑定書について再確認しましょう」の記事を楽しく拝見させていただきました。
ブログ主さんの真珠への愛と知識が伺えて、真珠について素人中の素人である私にとって、大変勉強になりました!
そんな真珠について素人である私は、まさに真珠の贈り物(ネックレスorピアス)をしようと思っております。
素人にとって、鑑別書はある種の「物差し」になるかと思っていますが、
こちらの鑑別書に関するブログを読み、キャンペーン事業に資金を投じるほど私が裕福でないと思いました。
とはいえ、せっかく真珠をお贈りするわけなので。冠婚葬祭などで末永く使ってもらえるように、
少しは品質にこだわりたいと思っているのもまた事実でございます。
そこで、鑑別書に頼らず、品質の良い真珠を見抜くにはどうすればよいでしょうか。
(素人丸出しの質問で大変申し訳ないです。。)
素人でも、ある程度勉強すればテリの具合などから低品質なものをはじくことができるでしょうか。
あるいは、メルカリなどではなく真珠専門店であれば、基本信頼して良い業者になるものでしょうか。
懸念しているのは、悪徳な業者から低品質なものをそこそこの値段でつかまされてしまうことです。
長々とすみません。よろしくお願いいたします。
こんにちは。
花珠真珠店の竹内です。
コメントありがとうございます!
丁寧に書いていただき、ありがとうございました。
たいへんよくわかりました。
私の父は真珠一筋な人ですが、定年前でも「わからないことだらけだ」と申しておりました。
そして、今の私は「真珠の不確かさ」を知った程度です。
生意気な言い方になってしまい申し訳ございませんが、真珠に毎日触れている人間でその程度なので、消費者の方々が少し勉強していただいた状態で品質を見抜くのは難しいと思われます。
ですが、勉強していただくことで、カモにされない武装?はできると思います。
品質は値段なりですので、自分の意向を整理して、予算を設定していただくことで、自分の目的に合った真珠を選んでいただくことはできると思います。
その方法として有効なのは、まずお店を決めていただくことです。
「良い真珠を買いたい」「低品質なものをそこそこの値段でつかまされたくない」というお気持ちで、いきなり真珠に向き合おうとすると難易度が高くなってしまいます。理由は、真珠の経験値に左右されるからです。
ですが、真珠のことは一旦置いておいて、単純に販売員さんや、お店が信用できるかどうか?という視点に切り替えていただくと、急に「それならできる」という気になりませんか。理由は、経験が豊富だからですね。
お店選びの第一歩は、視覚的な情報を遮断するために、電話問い合わせをおすすめいたします。
電話で最初に確認すべきは、ご自身の予算とお店の取り扱い価格帯がマッチしているか?です。注意していただきたいポイントは、駆け引きはなしで正確に予算の上限を伝えていただくことです。「用意できますよ」「もう少し上ならあります」「難しいです」お店によってさまざまな回答をしますので、その話しぶりなどから、自分に合うか、信用できそうかを判断していただくのが良いと思います。一軒目でピンと来なくても、同じ質問を複数の店舗に投げているうちに違いがわかってくると思います。真珠に関する質問をいくつか投げてみるのも良いでしょう。
自分に合いそうなお店がしぼれてきたら、そこではじめて具体的な相談をしましょう。
どういった目的で真珠購入を検討しているかを伝え、サイズや色、仕様などをしぼっていきましょう。
そのなかで「おや?」と思ったら、一旦距離を置きましょう。
そうしている間に「もしこのお店、この販売員にうまいことやられるなら、それは自分が悪い」と思えるほど信頼感が高まる瞬間があれば、その時点でそのお店で購入する意思があることを伝えましょう。
今の状況下では、候補となる品が1点しかないことも普通にあり得るので、その場合はその品に決めていただくか、実物が見られる位置関係にあれば見に行くのも良いでしょう。
候補の品が複数ある場合、お店に任せて2~3点に絞ってもらい、そこから選ぶのが決めやすいです。私の経験上ですが、選択肢が多いほど難易度が上がってしまい、2-3点ならほとんどの人が決めることができます。
そのようにして購入していただくと、真珠という大枠での最高は難しくても、上を見ればある程度上がある世界ですし、ご自身の予算の中で納得の買い物をしたという自信は持っていただけるのではないかなと思います。
それでは、一旦ここで投稿しますので、ご不明な点がございましたら、お気軽にコメントしてください。
よろしくお願いいたします。
花珠真珠店
竹内則勝