こんにちは。竹内です。
近頃、円安のニュースが目につきますね。「34年ぶりの水準」とのこと。当時の私たちの感覚では円高だったのですよね。「円高のおかげで大学生でもバイトをして海外旅行に行けるようになり、ブランド品が旅行先で日本より安く買えるようになった」という認識でした。
「1ドル=いくら」というのは皆様もご承知の通り、アメリカドルと日本円の両替レートのこと。両通貨を天秤にかけてちょうどバランスする位置を示します。世界の基軸通貨であるアメリカドルに対する円の評価額ってことですね。
今、私たちのやりくりが大変なのは「1ドル=いくら」だけのせいではないと思います。電気、ガスなど公共料金や、生活必需品の価格の高騰は、資源高がまずあって、高くなった資源を安くなった円で調達することで割高になったのだと思いますが、直近の報道では「円安でたいへん」に偏っているように感じます。といいますのは、「1ドル=いくら」が今と同水準だった34年前に「電気代が高くてたいへんだ」といった報道があった記憶はありません。なので、今の問題はまずは資源高なんじゃないかなと思います。そして、34年前と今の違いですぐに思いつくのは、消費税増税、社会保険料負担増です。
さて、真珠屋が素人意見をダラダラ書いても需要はないのでそろそろ本題に入りたいと思います。
皆様もご存知の通り、アコヤ真珠は日本、淡水真珠は中国、白蝶真珠はインドネシアとオーストラリア、黒蝶真珠はタヒチが主な生産地です。アコヤ真珠だけが日本円で取引され、それ以外はほぼ米ドル決済によって日本に入ってきます。よって、海外から真珠を仕入れる時の為替が価格に影響します。
アコヤ真珠には為替は全く影響しないのか?というと、そうではありません。
何度もお伝えしているように生産量が圧倒的に足りていないアコヤ真珠ですが、バイヤー間で取り合い状態になることで価格(日本円)が釣り上がるものの、海外バイヤーにとっては為替が上昇分をある程度帳消しにしてくれることで、アコヤ真珠製品の円価格の上昇を成立させている側面があります。
よって、今の生産状況下においては、円安が進むほどアコヤ真珠製品の価格は上がりやすいといえます。
また、最近では中国経済の失速を伝えるニュースが目につきはじめ、「真珠も待てば安くなるでしょ?」とのお問い合わせも増えてまいりました。中国の実情はわかりませんが、富裕層と言われる人たちが日本の人口に相当するほどいるといわれていて、実際にアコヤ真珠の供給量が充分でないことで価格が上がっているわけですから、まだしばらくは横ばい、または上昇だと考えています。
よろしくお願いいたします。
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