こんにちは。竹内です。
今週、私はアコヤ真珠8.5mm-9.0mm無調色のペア組みをしています。
少し前に8.0mm-8.5mmのペアを組んだ時に作業の様子をレポートしたので、今回はしれっと終わらせるつもりでいました。が、私はふと思いました。
消費者が思っている(期待している)花珠真珠と現実の花珠真珠との間には大きなギャップがあるよっていうお話は、今まで何度もしつこく書いてきました。ですが、私たち業者が評価するハナダマについて、明解な答えを示せてなかったと。
で、今回写真ではありますが、それをご覧いただこうと思いました。
今回私がペア組みのために持ってきた真珠は約900個(正確には881個)。当然ジュエリー用の真珠(片穴珠)ですから、連のネックレス用の素材の格上の真珠です。
その片穴珠約900個の中の頂点の一粒、ハナダマがこちらです。
テリッテリのピッカピカなのはもちろんですが、それ以上にパッキパキ(笑)…個人的表現では伝わりませんよね。なんと言いますか、金属玉のような硬質感が伝わりますでしょうか。おそらく多くの消費者の頭の中にある真珠はもっと柔らかで、生物が生んだ温かみが感じられるものではないでしょうか?
では、このハナダマのアップをご覧ください。
では、元のアングルに戻しまして
写真の2列目、3列目の真珠たちもかなり優秀なものになりますが、こうして頂点の一粒と同じ写真におさまることで、むちゃくちゃ平凡に見えてしまいます。
さて、みなさま、この真珠は私が勝手にハナダマだと言っております。私の経験値と、実際に今回の約900個の中の頂点であるという現実的データから、勝手にそう言っております。
ここで私がお伝えしたいのは、この真珠は現時点では花珠真珠ではないということです。理由は検査に出していないからです。もしこのハナダマが一生検査に出されることなく金庫保管されたら、一生花珠真珠にはなれません。花珠真珠は販促キャンペーンですので、業者がキャンペーン対象商品に仕立てて販売したいと思ったときに申請して(検査に出す)OKなら鑑定書が発行され、販促キャンペーン対象商品となるのです。
もう一つ重要なのは、このハナダマが花珠検査でNGになることは普通にあり得ることで、上の写真には写っていないずーっと下の列の真珠たちがOKになるのも普通にあり得ることということです。
消費者の多くの方々が期待される花珠真珠は、おそらく今回ご紹介したハナダマのような真珠のことだと思います。ですが、実際は花珠真珠キャンペーン用の枠が設定されていてその枠内にある真珠が対象商品として認められているものです。
何を買うかは個人の自由。ただ、知って選ぶのと、知らずに選ぶのとでは意味が違うと思うので、まずは知っていただきたいと思っております。
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