こんにちは。竹内です。
真珠科学研究所の電話番号がみつからず、弊店に電話をくださった一般消費者から聞いた話をシェアします。
その方は、ご自身のオーロラ花珠パールネックレスとイヤリングのセットの真珠に突然現れた「カビのようなもの」に不安を感じ、真珠科学研究所に問い合わせようと検索をしたとのことでした。
電話をいただいたのは土曜日の夕方で、真珠科学研究所は一般消費者からの問い合わせに対応していませんが、どのみち土曜日は定休ですので、私でわかることならとお話を伺いました。
以下、伺った内容です。
1.数年前に呉服屋の催事で20万円ほどで購入した。サイズは8-8.5mm。 2.ケースを開けたらネックレスが真白に曇り、光沢がまるでなくなっていた。 3.イヤリングもネックレスほどではないが、やはり曇っている。 4.同じ場所で保管していたほかの真珠製品はなんともない。 5.至近距離でよくみるとカビが疑われるぶつぶつが見られる。 6.これでは身に着けられない。 |
私はまず曇りの原因がカビなのかを確認したかったため、電話口の向こうでネックレスの表面を乾拭きしていただきました。結果は変化なし。よって、カビではないことがわかりました。
考えられるのは、以下ふたつです。
A.過加工による薬品負けが年月を経て表面化した。
B.〇〇加工による同様の被害例があるのでその可能性。
実物をお預かりするわけにもいかず、電話で私がお伝えできるのはこの程度だったので、あとはご購入先の呉服屋さんに相談していただくよう伝えました。
お話を伺う中で私が致命的だったと感じたのは、「立派な鑑定書が付いているから間違いないだろうと思って購入した」です。実店舗に出向くと、販売員さんから「この鑑定書が付いてるから品質は間違いない」と説明を受けることは多いと思いますが、もしその一言が聞かれたら「私は真珠のことはよくわからないです」と言っているのだと変換してください。専門色の強い商材で無理もありませんので、決して販売員さんを責めたり詰めたりせず、なるべく早くその場を立ち去りましょう。
今回のご相談から私が皆様にお伝えしたいことはふたつです。
1.鑑定書は思い出写真のようなもの
真珠製品の誕生から引退までの長い時間の中で、一番光り輝いているほんの一瞬、青春の1ページを示したものが鑑定書です。よって、検査を受けるその一瞬だけ合格基準を満たせば、その真珠は生涯「花珠真珠」でいられるわけですが、鑑定書は検査をした時点での評価を示すもので、発行された後のことは何の保証もしないと裏面に記載されております。そういうものだということをまずは知ってください。
2.わからない人から買うのはやめましょう
自分の利益を最優先に考えるメーカーさんは、検査の一瞬に賭け、過加工を施します。鑑定書さえ発行されればあとのことは知りません。さっさと売り抜けられれば良いのです。その結果、鑑定書つきの花珠真珠を購入したのに、数年で真白になり、曇って輝きがない真珠に変貌して、失望する消費者が出てしまします。こうならないように消費者が気をつけられることは、専門店で買う、専門店であっても鑑定書を褒めだしたらスルーすることです。鑑定書はただの付属品です。きちんと商品の特徴を説明できる人から買いましょう。
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