こんにちは。竹内です。
真珠の変色についてはたびたび書いていまして、一つのコンテンツページとしてもあげてありますので、ご興味がございましたら一度読んでみてください。
真珠養殖に携わる人々は基本的に海の近くの田舎で暮らす人たちで、仲間うちで話すときは言葉(表現)がストレート気味な人が多いです。それが真珠に対してもあらわれるところがあって、えくぼや隆起を「キズ」の一言で片づけたり、グレードの低い真珠を「クズ」と言ったりします。
キズに関しては、もって生まれたものであれば厳密にはキズではないはずで、それを配慮してか近年は点状のへこみを「えくぼ」と呼ぶことが定着しているように思います。考えてみれば、これは真珠に対しての愛情表現なのかもしれませんね。
で、思ったのは、変色に対して愛情深い表現があってもいいんじゃないか?ってことです。
一般に経年変化、経年劣化と言われていますが、変色と劣化をべつものとして整理すると、変色は必ずしも悪いものじゃないかもと思えたりします。
分類してみると
変色:年月を経て真珠の実体色が変わる。黄色味が増したり、茶色っぽくなったりする。
劣化:輝きがなくなる。ひびが入る。割れる。
どうでしょうか?劣化と変色を同列で考えるのはちょっと乱暴な気がしてきました。
そして、変色は「色が変わる」ことですが、実は真珠の色は「変化」には違いないかもしれませんが、「変わっている」というよりは「元の姿に戻っていく」という見方もできるような気がしています。確かに消費者の皆様が購入したばかりの真珠の色を起点として、年月を経て「変わった」と思われるのはわかります。その通りです。ただこれは、真珠の誕生から現在までの時間の中の一部を切り取って比較するからで、母貝から取り出した状態と比較してどうなのか?(実際にそのような比較はできないわけですが)と考えると、個人的にはなんとなく元の姿に戻っていっているように思えます。加工によって雑味が抜け、お化粧をされた真珠が、長い年月を経て生まれたときの姿に戻っていく、そう考えると変色はリバース(re-birth)なのかも知れないなと思いました。
私たち人間でいうと定年退職のような感じ、第二の人生の始まり、そういった捉え方をすれば、変色って愛すべきことなのかもしれないと思ったりします。
みなさまは、変色を真珠にやさしい言い方に置き換えるとしたら、なにか思いつかれますか?ぜひ、コメント欄でお聞かせいただけると嬉しいです。
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