こんにちは。竹内です。
ここ数年のことですが、お客様から「真珠は6月が選びやすくて買い時らしいですね」と言われることが目立って増えてきました。お客様が自発的に思いつくことではないので、どこかのお店がそのように発信しているのだと思います。
結論から書いてしまいますと、これは間違いではありませんが、発信しているお店にとっての都合の良い話であって、皆様にあてはまるものではありません。
では、解説してまいります。
6月買い時説は量販店に限ってのこと
その年の浜揚げ珠が加工場で加工され、半製品となって業者間取引が始まるのが5月下旬です。私たち販売業者は小売商であれ、卸商であれ、この時点で自社の年間計画に必要な品質、価格のものを、必要数 揃えておければ理想的です。
注)以前は加工があがった順に通年で新製品が流通していましたが、近年は生産量激少により一度にドンと加工して、ドンと出すように変わりました。
よって、量販店では6月が最も在庫数が多く、仕入れに使った資金を早く回収したいので「買い時だ」と発信します。
こだわり型店舗はどうなってるの?
弊店の場合、どれだけの量の加工あがりがあっても、自店の基準に合わないものには興味がありません。もともといつも材料不足なので、お勧めできる買い時はありません。そして、弊店の在庫商品(セレクトクラス)はいつお求めいただいても「買い時を気にしていただく必要はありません」ので、ご安心いただければと思います。
一般消費者にとって真珠の買い時は、真珠が必要になったとき
真珠が好きで、普段から興味を持っている人を除いて、ほとんどの方は「そろそろ真珠を」と探し始めることと思います。その中で「買い時ってあるの?」と思われるのは自然なことだと思います。
6月が買い時だとしても、実際にご自身で時間をかけて品選びをできる人はなかなかいらっしゃいません。皆様それぞれに日常の生活がありますので。そして、大抵の場合、店員さんに「1番のおすすめはどれですか?」となるので、どれだけの量の在庫があるか?は問題ではなく、同価格下でどれだけ品質的な誤差を小さくコントロールできているか?が重要だと思います。また、店員さんの目利きが間に入るということは、時期よりも、お店を選ぶことの方が重要かもしれませんね。
もう少し具体的にお話ししますと、在庫量が豊富にあったとしても12万円の品質の品が10万円で手に入るわけではありません。10万円の値札がついている以上、1番のおすすめとそうでない品との違いは個体差でしかありません。それならば、個体差を小さくコントロールできているお店の方が安心できるのではないかなと思います。
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