花珠真珠とは?

ここで説明していること

・花珠真珠とはキャンペーンの名称です。
・花珠真珠という品種はありません。花珠鑑定書がついたアコヤ真珠製品のことです。
・花珠級、花珠に匹敵、花珠落ち等の表現は印象操作です。注意しましょう。
・検査内容が公開されていない鑑定書は無意味です。
・花珠検査は美しさをチェックするためのものではありません。
・花珠鑑定書は検査した日の状態に対して発行されるもの。数年後の状態を保証するものではありません。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。



花珠真珠について、定義や、お客様からよくいただくご質問をまとめました。

● 花珠真珠とは?

花珠真珠とは販促キャンペーンの名称です。歴史的にこれほどの成功を収めた真珠キャンペーンの例はなく、あまりにも広く長期にわたって消費者の支持をいただいたことで、はじまりのストーリーがぼやけてしまい、いつしか最高品質の真珠だと間違った解釈が広まりました。こうした現状にあって、まずは、花珠真珠とは花珠鑑定書が付属する真珠製品だとお考えいただければ良いと思います。
古くから真珠業界で言われてきたハナダマと、キャンペーンとしてはじまった花珠とは、同音異義なもので、現代の花珠は第三者(鑑定機関)によりキャンペーン対象商品として認定された製品であるといえます。
よって、販売店が独自に花珠を謳ったり、花珠級、花珠に匹敵、花珠落ちといった高品質を連想させるような表現をするのは、全て無意味です。キャンペーン対象商品に仕立てられた花珠真珠か、そうではない(花珠真珠ではない)か、のどちらかでしかなく、近いとか中間とかはありません。
花珠鑑定書を発行する機関はいくつかありますが、定義はそれぞれが独自に設定していて、こちらが真珠科学研究所さんの花珠定義です。

品種 : アコヤ真珠(一般的に和珠、本真珠ともいわれます)
サイズ : 6.0mm以上
実体色 : ホワイト系(一般的にピンク系といわれるものも含まれます)
てり(値) : 5.5以上(単色系)
きず : 頭上部にきずなし
面 : 平滑
かたち : ラウンド〜セミラウンド
まき : 0.4mm以上

※ てりの測定値は、真珠科学研究所独自の検査方法によりチェックされるものであり、鑑定書の上で数値を公表するものではありません。

これを基本として、真珠科学研究所発行の鑑定書には以下のようなバリエーションがあります。
オーロラ彩凛珠(さいりんだま): サイズが6mm未満
オーロラ真多麻(まだま) : 実体色がブルー系(グレー系を含む)
オーロラ金色(きんしょく) : 実体色がゴールド系
オーロラアコヤクイーン : 実体色がその他(ネックレスの場合、実質的にはクリーム系になります)


● オーロラ花珠とは?

真珠科学研究所の花珠鑑定書が付属した真珠製品だとお考えください。
オーロラ花珠の鑑定書が最初に発行されたのは、2009年1月です。真珠科学研究所の鑑定書でも、それ以前のものは単に「花珠」として発行されています。
ただし、「花珠」も「オーロラ花珠」も検査内容や合格基準は同じですので、以前に「K」や「F」ではじまる鑑定書番号の花珠をお持ちの方は、実費をお支払いいただくことで「S」からはじまる「オーロラ花珠」の鑑定書に切り替えることが可能でした。現在は「S」も廃版となり、現行の「SS」で再発行を希望する場合、ほとんどの品で再検査が必要となりました。
オーロラ花珠誕生の背景には他社の花珠鑑定書との差別化もあったと思いますが、消費者にとって重要なのは「意図的なすり替え防止」策になっていることではないでしょうか。真珠のオーロラの現れ方は十粒十色。鑑定書に添付されるオーロラ画像は4粒程度ですが、真珠科学研究所には広範囲に撮影されたデータが保存されていて、かなりの高確率で鑑定書と実物が同一のものかを判別できるようになっているようです。


● オーロラ天女とは?

鑑定書に書かれた説明を要約しますと、オーロラ花珠のバリエーションの一つで、真珠科学研究所作製の特殊装置上にて、干渉色の発現強度が最上位の数値(100点満点中90点以上)を得たものに与えられる特別呼称です。
検査に出せば、真珠科学研究所が自動的にてり強度に応じた振り分けをしてくれるわけではなく、オーロラ花珠に合格した後で、お店が「オーロラ天女の鑑定書をつけて販売したい」場合のみ、てりに特化した二度目の検査(天女検査)を受け、合格すればオーロラ天女の鑑定書(SPタイプ)が発行される仕組みです。
そういうわけで、オーロラ天女はオーロラ花珠の中で特にテリが強いものとお考えいただければよいのですが、決してオーロラ花珠の格上ということではありません。「てりだけが突出したオーロラ天女」よりも「満遍なく優秀なオーロラ花珠」の方が格上であることは業者目線では普通です。格上、格下を表すのは、あくまでもその真珠製品につけられた価格であって、鑑定書のタイトルではありません。ただし、真珠そのもの(商品、実物)の説明がおろそかで、「この鑑定書は最高。その最高の鑑定書がついてるから、この真珠は最高。」といった手法で販売されているお店の価格には、真珠そのものの価値に応じた設定がきちんとなされているのか、ご自分なりの判断をもってご検討いただいた方がいいかもしれません。




花珠真珠についていただいたご質問にお答えします。


Q. いろんな花珠がある中で鑑定機関による優劣ってあるの?

A. 大変申し訳ございませんが、立場上、ここで明言することはできません。
ただし、二つのヒントを差し上げることはできますので、あとはご自身でご判断いただければ幸いです。

1)その鑑定機関は 真珠専門か? 真珠専門ではないか?
真珠専門の鑑定機関の検査方法や合格基準は調べていただくと答えを見つけることができますが、真珠専門ではない鑑定機関については、答えは見つからないと思います。何を基準に花珠真珠だと判断されたのかがわからない鑑定書を、ご自身がどう感じるかでご判断いただければよいと思います。
 
2)鑑定機関の選択について
特にパールネックレスに関しまして、A社の検査でストレート合格できず、粒交換が必要になった場合に、それに従って粒交換・再検査へと進めなくても、そのままの状態でB社の検査にストレート合格することは珍しくありません。B社の花珠鑑定書つき製品にはそういった背景もございます。もちろん全てがそうだとは申しませんが、鑑定書を扱うお店のモラルが問われることだとは思います。

【重要】
業者であれば、どの鑑定機関がどんな検査をしているかはわかっています。 本当は「この鑑定書をつけることは無意味だ」とわかっているのに「花珠真珠を名乗れる安い品」を販売するために、無意味な鑑定書を取得します。
一つのお店が複数の鑑定書を取り扱うのはお客様に向けたサービスということができるかもしれませんが、「鑑定書そのものは商品ではない」と考えるお店であれば取り扱う鑑定書は自ずと一種に絞られるのが自然なことではないかな?と、私は思います。

【重要】
真珠専門か、真珠専門ではないかを見極めの一つとしてご紹介させていただきましたが、近頃では、真珠関係の組合を名乗る鑑定書も出回っています。これは真珠専門だと勘違いしてしまいそうですが、真珠の売買を生業にしている身内になりますので、全然第三者的立ち位置にありません。ご注意ください。


Q. 真珠科学研究所の花珠ですという説明をよく目にしますが、これはどういう意味ですか?

A. 「真珠科学研究所が発行したオーロラ花珠の鑑定書が付属する」という意味で、「真珠科学研究所の花珠」というキャッチコピーを目にする機会は多いですね。実際には真珠科学研究所さんはメーカーではありませんので、真珠の養殖はもちろん、真珠製品の製作も行っておりません。また、真珠科学研究所が加工をした真珠という意味でもありませんし、販売もしておられません。


Q. 同じ鑑定書でも値段の幅が広いのはなぜ?

A. ニワトリが先か、卵が先か… たいへん難しい問題ですが、真珠の場合は「品物が先、鑑定書が後」で間違いありません。
つまり、半製品であれ、完成品であれ、商品としての価値を持った時点で真珠には値段がつきまして、その商品をどうやって販売するか?という売り手の選択の中に「鑑定書をつけるか、つけないか」があるわけです。鑑定書をつける前から、品物の良し悪しに応じた値段がついているわけですから、10万円の価値がある真珠ネックレスに鑑定書をつけて10万円で販売するのも、100万円の価値がある真珠ネックレスに鑑定書をつけて100万円で販売するのも、普通にあり得ることです。鑑定書が同じだから商品としての価値も同じということではありません。
また、高額な真珠ネックレスを、鑑定書をつけずに販売するのは普通のことですし、「高額である=花珠検査に合格する」というものではないことも、覚えておきたいことですね。


Q. オーロラ天女はオーロラ花珠より格上なの?

A. 必ずしもそうとはいえません。テリが真珠の価値の全てではありませんので、たとえテリが天女に及ばなくても、それ以外の要素が優秀な花珠が、テリだけが突出した天女よりも高値になることは普通です。


Q. 花珠真珠って数百個に1個しか採れないって本当なの?

A. 実際の数字に興味はありますが、残念ながら、花珠真珠が数百個に1個しか採れないというのは全く根拠のない話です。商品のアピールが行き過ぎた結果、言葉の響きからつい書いてしまったのかもしれませんが、消費者に誤解を与える表現は良くないですね。実際に花珠真珠が通販でこれだけ流通していて、しかも、数万円から手に入るという現状を冷静に考えていただければ、違和感を感じる方も少なくはないのではないでしょうか。




最後に、花珠真珠について当店よりお話しさせていただきたいことがございます。
 
真珠が生まれてからお客様のお手元に届くまでの時間より、お客様のお手元に届いた後お客様と共に過ごす時間の方が何倍も何十倍も長くなります。ご購入いただく際にどれだけこだわって、ご自身の希望の品を探していただいたとしても、その後の保管方法やお手入れが間違っていると、真珠の賞味期間はどんどん短くなり、ご自身が購入時に納得された姿から遠のいてしまいます。花珠鑑定書は、検査を受けた一時の状態で判断され、発行されるものであって、この状態が永遠に保たれることを示すものではありません。とはいえ、一般消費者の皆さまに完璧なお手入れをしていただくのは難しいわけですから、ご購入後のフォローをお店がどこまでできるかということもしっかりご検討いただくことをおすすめいたします。フォローがきちんとできるお店で、しっかりした品をお求めいただければ、着用後の簡単な乾拭き、ケースに入れて湿気と直射日光を避けて保管、定期的なメンテナンスをお店に依頼、の3点を守っていただくだけで、長い時間、良好なコンディションを保っていただけるはずです。


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