こんにちは。竹内です。
今年も浜揚げがはじまりまして、志摩市で養殖業を営んでいる従兄が貝柱を届けてくれました。
浜揚げされた真珠は、年末から来年2月にかけて入札会や示談取引を経て加工業者(メーカー)の手に渡ります。加工を終えて、私たち販売業者が入手できるようになるのは5月中旬頃になります。
その際に稚貝の問題について、従兄に話を訊いてみましたところ…
・来年に使う母貝の手配ができていない。
・手元にわずかな量の母貝はあるので、ある分は使うが、あるから使うだけで、とても収入のあてにできるような量ではない。
・これまで愛媛産の母貝を使ってきたが、仮によそから母貝の提供を受けることができたとしても、自分の漁場に適応できるのかわからないので、慎重になる。
・おそらく、多くの養殖業者がこの機会に引退する。
愛媛の組合が知事に要望書を提出しましたが、「原因を究明して…」との回答だったようです。確かに原因を究明するのは長期的目線で大切なことですが、問題は目の前にあり、短期的な対策がより重要です。これまでにもアコヤガイのへい死問題はたびたび起こっていて、その都度原因不明とされてきたので、今回も同じではないかと思います。
養殖業者さんの平均年齢はとても高く、母貝がない=仕事にならない=後継者もいない=この機会に引退すると考えるのは仕方ないことです。引退した後に原因が究明されたところで、また始めようと立ち上がる人がどれだけいらっしゃるか…
現状としては、2022年に養殖現場で使用される予定の稚貝がきちんと育ってくれれば、2023年から新珠の流通が例年並みに可能になりますが、万一、この稚貝も今年と同じ状況になってしまったらと考えると、近い将来 真珠が必要になる方々には、各ご家庭での優先順位をお考えいただいて、真珠を先に繰り上げていただく方が良いかもしれません。
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