こんにちは。竹内です。
まずはこちらの表をご覧ください。
ツナ缶の場合 | 真珠の場合 | |
第一次産業 | マグロをとる漁師さん | 真珠をつくる養殖屋さん |
第二次産業 | 水産加工会社: マグロを仕入れてツナ缶を作る | 真珠加工会社: 真珠を仕入れて連材など素材を作る |
第三次産業(卸) | ツナ缶を仕入れて販売店に売る | 素材を仕入れて製品化、販売店に売る |
第三次産業(小売) | ・ツナ缶のまま売る ・サンドイッチやおにぎりを作って売る | ・素材を仕入れて製品化、消費者に売る ・製品化済み商品を仕入れて、消費者に売る |
真珠の加工会社とは、上の表の「真珠の場合」の「第二次産業」の部分になります。水産加工会社と同列にあり、加工のための機械類など設備が整っていて、いわゆる工場然とした施設を所有しています。そして、加工を終えた真珠素材は職人さんたちによって連組みされたり、ジュエリー用素材のランク分けや色分けが行われます。それらに価格をつけるのは営業さんの仕事になります。
さて、実店舗、ネット店舗問わず「真珠の加工販売」を謳う会社はたくさんありますが、彼らは第三次産業に属していて加工は行っておりません。彼らがいう加工とは、真珠素材に金具を取り付けてイヤリングや指輪にしたり、連材をバラいてステーションネックレスやスルーネックレスなど別の形につくりかえたりすることを指します。加工会社直販のお店なんだと思ったら、ほぼ間違いです。(実際に加工会社直販の小売店はあります。グループ内別会社になりますが大枠ではミキモトさんもそのひとつですね。)
さて、真珠の加工会社さんにもさまざまな立場があり、それぞれ技術面で得意とするところがあります。浜揚げ珠の入札会でミキモトさんとガチンコ勝負する会社もあれば、その競争の下を安定的に取る会社もあり、ランクの低いものを中心にしている会社もあります。
多くの消費者が気にされる「色をつけてるのか問題」ですが、今では調色加工は通常のものという認識が広まりましたが、かつては調色と染色の違いが知られておらず、調色をした通常加工品でも「無着色です」といって販売する人や、店舗がありました。
その色をつける作業をしているのは加工会社さんなのですが、これにもすみわけがあり、しない会社は一切しませんし、する会社は日々技術を磨いています。
よって私たち仕入れる側の業者は、色加工をしない会社から色加工された真珠を買うことはできないので、目的に応じて取引先を選んでいます。
私は色加工した品を扱わないので、そういった加工会社さんとは取引がありません。
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