オーロラ天女に関するQ&A 2020年2月版

ここで説明していること

・オーロラ天女という品種はありません。天女版の花珠鑑定書がついたアコヤ真珠製品です。
・オーロラ天女はオーロラ花珠に対するオプション鑑別。格を示すものではありません。
・真珠科学研究所が、天女か花珠かを振り分けることはありません。花珠合格後、業者が依頼するものです。
・天女級、天女に匹敵、天女落ち等の表現は印象操作。そこに何かを期待するのは間違いです。
・安価な天女はテリ以外の価値要素に注意。経験を積まれたヘビーユーザー向けです。

ご興味をお持ちいただけましたら、以下へ読み進めてください。




オーロラ天女に関するお問い合わせをいただいた中から、興味深く感じたものを紹介、回答させていただきます。


Q. 自分が花珠を購入した時にはなかったような?

もともとは某業者さん向けの企画でしたが、希望すれば他の業者でも発行可能でした。ただし、あくまでも真珠科学研究所がオフィシャルに認めたものではなく、裏メニュー的な存在でした。
2014年12月に現在の「Pタイプ」鑑定書が発行され、これを機にオーロラ天女が正式なものとしてラインナップされるようになりましたが、今でも「あくまでもオーロラ花珠の中の天女」という位置づけは守られています。オーロラ花珠に対するオプション鑑別といえばわかりやすいでしょうか?
実際に取り扱ってきた立場で振り返ってみますと、一般にオーロラ天女が知られてきたと感じたのは2016年春ごろだったような気がします。


Q. オーロラ天女はオーロラ花珠より格上の存在なの?

「NO」です。
上で「オーロラ天女はオーロラ花珠に対するオプション鑑別」と書きました。オプションですから、取る、取らないは業者の自由で、真珠科学研究所が自動的に振り分けてくれるわけではありません。「天女が取れる品質だけど取っていない花珠」や「天女が取れた品質だけど当時は天女がなかったから花珠」といった品もありますから、天女か花珠かというだけでは、どちらが格上かはわかりません。
真珠の価格は評価する価値要素の平均点で決まるべきもの。鑑定書は付属品であって格を計る定規ではありません。


Q. オーロラ天女って見てすぐにわかるほど違うの?

そういうものではありません。
突然にオーロラ天女という新種の真珠ができたわけではなく、昔から普通に流通している一部分(ある程度高額ですが)に戦略的なスポットライトがあたっただけです。よって、もともとそのクラスの品を購入された方にとっては、あたりまえの真珠だといえるでしょう。

オーロラ天女を着けた人がむこうから歩いてくると、ものすごく遠くから「あれは天女だ」とわかるの? と、複数の方から訊かれましたが、平均的な日本人の視力では、ものすごく遠くの人がネックレスをしてること自体見えないんじゃないかな?と思いますので、もしそのような説明をしている業者があるなら、天女推しのあまり、勢いがつきすぎて、つい言ってしまったのかもしれませんね。

 〜褒められたことではありませんけど。


Q. 現状オーロラ天女が最上の真珠なの?

鑑定書とは無関係のところにいる高品質な真珠たちもありますので、この真珠たちを除外してオーロラ天女が最上だといった話をするのは少々乱暴なことだなぁと思ってしまいます。
オーロラ天女を名乗るためにはオーロラ天女鑑定書を添付しなければなりません。もし鑑定書を紛失した場合には、もう一度検査に合格するまでオーロラ天女を名乗ることはできません。このように、一つの真珠製品でも状況によって名乗れたり名乗れなかったりするわけですね。おわかりいただけたと思いますが、鑑定書の種類で真珠の格をはかるのはナンセンスです。それゆえ、オーロラ天女に匹敵、オーロラ天女級といった形容は、本当に無意味で、鑑定書がつけばオーロラ天女、つかなければオーロラ天女ではない ただそれだけです。


Q. オーロラ天女はまぶしくて長時間見ていられない?

真珠は発光体ではないので、ご心配なく♪
直射日光などの強い光を真珠にあてて、それを見ていれば、間接的に日光を見ることになるわけで、天女でも、天女でなくても、よっぽど濁った真珠でない限りさすがに反射でまぶしいです。これは真珠がまぶしいのではなくて、光の反射がまぶしいだけです。そのような環境で真珠を見ようとするのは実験的行為であって、業者なら「わかりきったこと」「誰もしないこと」です。

天女はてり優秀を認める称号ですが、真珠科学研究所が言うてりは真珠層内部でおこる光の干渉のことで、光の表面反射(光沢)とは切り離して考えるのが基本です。光沢は表面を研磨することで向上できますから、これを鑑別の対象から外す考えは私も賛成です。光沢を過度に評価することは、過加工を助長することになりかねません。


Q. オーロラ天女は滅多にとれないってほんと?

二通りの意味があると思いますのでそれぞれ答えます。
天女検査が厳しいという意味では「条件付きでYES」です。デフレの日本で流通させる価格のものを天女検査に通すのは、なかなか難しいです。
天女検査に合格する品質の真珠が滅多に採れないかという意味では、そうでもないです。
真珠業界全体で考えれば、それなりの量があがっているはずなので、日本中から採れたての真珠を一社に集めて、一社独占ですべての加工を行えばそれなりにできあがることだろうと思います。ですが、実際は採れた真珠は複数の業者さんに分散され、それぞれがネックレスなどにマッチングさせていく過程でどんどん出来上がる確率が下がっていきますので、結果、製品の流通量としては、少なくなってしまいます。

(2020年2月13日追記)
生産量の低下による材料不足が主な原因ですが、今年に入ってから業者間で「滅多に合格しない」と言われるようになりました。弊店としましては、今年も天女が取れるものはなるべく天女でご紹介させていただく所存ですが、今後、オーロラ天女はレアな商品として高値安定となるか、現実的に流通量が少なすぎて存在感が薄れてしまうのかを見守りながら、方針を変更することもあると思います。


Q. 花珠か、天女か、どういう基準で選べばいい?

花珠と天女が混在する価格帯でご検討中の方には、とても悩ましい問題だと思います。
同じ価格であれば、花珠の方が各価値要素のバランスが良いので、ファーストパールをご検討の方には花珠をオススメいたします。
買い替えの方は、それまで使っておられた真珠製品を基準に、次は何を優先しようかとご検討いただくことと思います。テリを優先される場合は天女がオススメですが、同価格の花珠と比べてどの部分がテリの良さと引き換えになっているかを納得してから決めていただくのが良いと思います。


Q. 天女を選ぶうえで注意すべき点があれば教えて!

価格の絞り込みで安値を狙いに行かないことです。「良いものをなるべく安く買いたい」というお気持ちはよくわかりますが、多くの消費者の方々は「オーロラ天女はオーロラ花珠の格上のもの」だと誤解しておられます。誤解したまま安値を狙いに行くと、誤解した人に向けられた品にたどり着くようにできています。安価な天女には(てりが良いのに価格が安いということは)、形がゆがんでいる、キズっぽい、表面がシワっぽい、ばらついた印象、といった「価格を成立させる理由」が必ずあります。バランスが偏った個性の強い品を狙いに行くのは上級者の楽しみ方ですので、ファーストパールをお選びの方にはご注意いただきたいポイントです。
ただし、安価な天女を見つけた時に、きちんとこのような説明がなされていて、ご自身がマイナスポイントを納得の上でその品の購入をご検討なさるのであれば良いと思います。


Q. ネックレスを単品で購入したら…

オーロラ天女の耳飾りを単品で購入希望のお客様から当店にご相談いただく機会は意外に多く、お話を伺っているうち「実はネックレスは安いのを見つけて他店で購入した。そのお店でイヤリングの追加購入の相談をしたら、あまりにも高額な見積もりが提示され諦めた。」というケースがあります。
このような場合、ほとんどの方は「イヤリングで儲けようとふっかけられた」と感じてしまうようですが、疑うべきはそこではなく「ネックレス」なのです。よって「とりあえずネックレスだけ購入して、イヤリングは他店で安いのを探そう」と進めてしまうと、後から色々と面倒なことになってしまいがちです。また、最終的にそれぞれオーロラ天女で単品購入したけど、いまいち色が合っていない、質感が合っていないといった事態も充分あり得ますので、「絶対に耳飾りはしない」と決めていない限りはセット購入が良いでしょう。




いかがでしたでしょうか? 参考になりましたでしょうか

当店ではオーロラ天女が設定されたことを良かったと考えています。
かつて多くのお店がオーロラ花珠が最高だと言っていたころ、私どもでは第三者による検品が行われた証でしかないと説明していました。
「うちのオーロラ花珠はまき厚が0.5mm以上限定で他店の品とはレベルが違う」と、業者なら”そうではない”とわかりきったことを声高に掲げるお店もあり、「ネックレスのまき厚は参考程度のもの、何ミリ巻いているかよりもまきの質感のほうが重要」とする当店の主張に比べて数字の方がわかりやすいので、お客様の支持は前者に傾きました。ですが、オーロラ天女が設定されて以来、前者のお店も「まき厚0.5mm以上限定」の謳い文句を取り下げて、「厚さよりも質が重要」と言い換えたりしているので、天女が果たした功績はすでに大きなものだと思っています。

今後は、印象操作の場が花珠から天女へ移行してくる可能性がありますが、私から申し上げられることはいつもひとつだけ「品質は値段なり」ということです。
そう言い切れる理由は、この業界が、真珠を作る人、真珠を加工する人、真珠を販売する人という分業で成り立っているので、お店は卸であれ小売りであれ、仕入れたものを売るわけで、自分の手で作り出したものを販売しているわけではありません。仕入れたものを売る限り、安いものを安く売ることはできても、高いものを安く売ることはできませんからね。

長々と書いてしまいましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。